SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“上巳の節句/中村 奈緒子”
春の陽気が感じられる頃となりました。SOU・SOU前のしだれ梅も満開です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
先日の3月3日 雛祭りの日に、小雨の降る中、お茶のお稽古へ行ってまいりました。
お菓子は、桃色から萌黄色へのグラデーションが美しい主菓子と、
船屋秋月さんの春の銘菓『北野梅林』をいただきました。
白餡を梅肉餡で包み、さらに砂糖をまぶした、可愛らしいこのお菓子。
口に入れると、強い甘味とほのかなしょっぱさ、そして上品な梅の酸味と風味が広がります。
そのあとのお薄の美味しかったこと。
お稽古に通い始めて約1年半。
この日は、遅まきながら、濃茶の点前デビューの日。
自作の「花月の友」を着て臨みました。
濃茶を入れた茶碗にお湯を注ぎ、無心に練りあげます。
ねりねり...
外は雨の気配。
静寂のなか聞こえるのは、釜の蒸気音と道具を扱うささやかな音のみ。
道具の拝見。
お茶杓のご銘は、『上巳(じょうし、3月の節句 雛祭りのこと)』にしました。
あわただしく過ぎる日々の中で、お茶は本来の自分に立ち還らせてくれる貴重な時間。
点前やしつらえを通して五感が澄んでいきます。
お茶の道はまだまだ始まったばかり。
これからも、急かず、ゆるやかに道を歩いていきたいと思います。
(中村)