SOU・SOUいとをかし / SOU・SOUの日常をお届け
“冬と春のあいだ”
冬と春のあいだで、
冬よりの日と春よりの日があって、
あたたかい春よりの日は、
歩くのが楽しい。
暖かくなるにつれて、
外に出る足取りが、軽くなっていくのでしょう。
気になって行きたい行きたい、
と思いながら、
なかなか行けない、お店がある。
祇園のおはぎ「小多福」。
店主のおばあちゃん一人で切り盛りしているお店で、
カウンター席6席だけ。
おはぎは、小ぶりな一口サイズ、
味は青のり、古代米、青梅、白あずきを含め8種類。
とりどりの宝石箱のよう。
薄い緑とピンク色の宝石を2個選んで、
飲み物はコーヒーにしようと思って頼んだら、
「抹茶が合うよ~」
と店主のおばあちゃんが言ってくれた。
注文を受けて奥に入っていかれて、
シャカシャカと抹茶を点ててくれいる音が聞こえてきた。
大寒の次はもう立春。
骨身にしみる底冷えが、
おばあちゃんのおはぎと抹茶の熱のおかげで和らげた。
ほら、もう春はすぐそこに。
(しょうしょう)