SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“京型友禅と型口/山本 聖美”
SOU・SOUでプリントしてきたテキスタイルって一体何種類あるんかな?
と、先日気になって数えてみたのですが、その数は優に八百種を越えていました。
そして今も、年間のテーマ(本年は果実文様)に沿って毎月月替りの新柄と、
春夏と秋冬にそれぞれ十柄前後のあたらしいテキスタイルが仲間入りしています。
今秋発表の新作は
なごみ
つなぎ花紋
縛り
吹きよせ
摩天楼
などなど
バリエーション豊かです!
SOU・SOUのテキスタイルは、すべて京都の染工場さんによる手捺染で制作しています。
別名、京型友禅(きょうかたゆうぜん)とも呼ばれています。
型友禅は明治初期に京都で、合成染料ともち糊を混ぜた色糊(写し糊)が考案されて以来、急速に発展したと言われています。
型は一色につき一枚、色ごとに取り替えて染めていくのですが、型の合わせ具合、重ね合わせによる色の表現など、熟練した職人技を要します。
そんな型友禅の特徴のひとつに、【型口(カタクチ)】と呼ばれるものがございます。
【型口(カタクチ)】とは
版と版が繰り返しプリントされる境目のことです。
柄をリピートする際、型と型が数ミリ重なる部分が生じます。これはインクジェットやローラープリントには無い、昔ながらのこの技法の特徴とも言えます。
そして、柄によって型口は出るものと出ないものがございます。
出るものはこんなふうに・・・
textile name : 見通し
textile name : まり
textile name : 源
SOU・SOUのテキスタイルにとって型口は、
昔ながらの技法、職人さんの手仕事によってできる「味」として捉えています。
いわばお釜で炊いたご飯のおこげみたいな存在とでもいいましょうか・・・
なんでも海外生産、又は機械化されてしまう現代にとっては、あと数年で工芸品の域に達しそうな京都の型友禅染めはとても貴重なものです。
SOU・SOUでは、京都の職人さんの技を後世につないでいく仕事ができればと思います。
(山本 聖)