SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“番付け”
この間テレビを見ていたら
両国国技館の歴史についての番組がやっていました。
江戸時代まで横綱は大関の中からたった一人だけが選ばれ
品格も技量も兼ね備えた者しか認められなかったとの話。
その他の様々な話の中でも
特に面白かったのは、番付け表の欄外にあった「ばかの番付け」です。
その番付からは江戸時代の人達の価値観や尺度
当時の生活の空気が見えてきます。
ちなみに「馬鹿の横綱」は「洋風にかぶれパンを食う馬鹿」。
ちょっとビックリします。
自分も含め洋風文化に影響を受けていない人を見つけるのは難しい
現代からは想像しがたい風刺です。
珈琲を飲んだ事も無くパンをかじった事も無い。そんな人余り聞きません。
でも、もし「あえて」頑なに日本古来の生活様式を保ってきた
そんな方がいるならば是非お会いしてみたいものです。
この「ばかの番付け」の風刺の背景には
保守的な相撲という国技ならではの
意地や面子があるのでしょう。
でも、まだ「かぶれた馬鹿」と
皮肉るだけの文化的余裕が当時の人達にはあった。
そう読み取る事も出来ます。
番付けコーナーが終わった後、ジャージ姿で走りこむお相撲さんをみた時
冷めた気持ちになったのはなぜでしょう。
伝統を有史以来のものと捉えれば
偏狭な世界から
広く見えてくるものがあるかも知れません。
ヤマサキ