SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“ギャラリーしつらい 特別編 弥生 と 春の吟行”
4月、春の嵐を越えて、桜があちらこちらに咲いています。
新入学、新入社の皆さま、おめでとうございます。
新年度を迎えられた方々も、新鮮な気持ちで、良い始まりをお迎えください!
京都SOU・SOUしつらいの間、亀屋良長さんによる月替わりの和菓子のテーマ
弥生(3/1?3/31)は「春風」でした。
やわらかいういろう生地と苺の爽やかな風味を、ひらひらと
可愛らしく舞う蝶々が春と一緒に口に運んでくれる、愛らしいお菓子でした。
(詳しくは"和菓子になったテキスタイルデザイン"をご覧ください。)
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たくさんのつぼみがどんどん花開き、新芽がぐんぐん伸びるこの季節。
妊娠7ヶ月から8ヶ月を迎えようとする私のお腹も、ここ最近で
びっくりするほど大きく育ちつつあります。
赤ちゃんを授かってから、価値観や、見える景色がどんどん変わり、
それに戸惑うというよりは、ごく自然の流れとして変化を受け入れている
自分の、今だからこそ感じることのできる気持ちを、何か形に残せないかと
思っていたところ、面白いワークショップと出会い、参加してきました。
hi→× 空想製本屋 俳句と製本の会
というワークショップで、内容は以下の通りです。(※会の案内より引用)
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春の植物園での吟行後、自分で詠んだ句と気に入った句を選び、
手製本で世界にいっさつの俳句帖をつくります。散歩しながら句を作る「吟行」や、
句を発表しあう「句会」を通して俳句に親しみ、
春の句会の記録を自分の手で本に仕立てて持ち帰る。
俳句と手製本で春の一日を楽しむワークショップです。
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五・七・五の短い言葉で、自分の思いや季節を表す。
シンプルだけど奥深く、江戸時代から続くこの日本の文化。
俳句を作るなんて、高校の授業以来ですが、
やってみたい!と直感し、何より、それを製本出来るという部分にも心惹かれました。
吟行の場所となった小石川植物園は、この日穏やかな晴天。
ソメイヨシノのつぼみが、ほのかに桜色で、霞がかっているようで、
咲く前でも、これはこれで良いものです。
思い思いにのんびり歩きながら、目に映る景色を、
キーワードで書き留めたり、俳句の下地になる言葉を選んでいきます。
いよいよ俳句を詠む!その前に、この後、製本会場となる
橙灯 daidai galerie cafe さんの店主さんが作ってくださった
お手製のお弁当で腹ごしらえ。
青空の下で食べるお稲荷さんはまた格別です!
参加した人の句から、好きな句を選び、書き留めている最中に花びらがひらり。
見上げれば、満開のマメザクラ。
選んでいる時は誰の俳句か分からないため、
読みあげていく時に、詠んだ人が名乗ると、納得したり、意外だったり、
自分の詠んだ句を誰かが気に入ってくれたら、とても嬉しかったり、
同じ景色を見ていても、人によってこんなに感性が違うんだと感心し…
とにかく面白かったです!!!
詠んだ後は、自分の俳句と、お気に入りの俳句を製本作業。
これまた学生時代の図工の授業のようで、楽しく、
同じテーブルの人とお話しながら、ほのぼのと作業できました。
そして、世界で一冊の俳句集が出来上がりました!
私が詠んだ句をいくつか紹介すると…
・雑草の 名をかんがえる 春の芝
・ぽんぽんと 咲く音(ね)楽しき 鼓草(つづみぐさ=タンポポ)
・まだ咲かぬ つぼみも愛し さくらみち
最後の句は、今まで桜の季節が近付くと、
「まだつぼみかー。早く咲かないと、つまらないなー。」と思っていたのに、
今年は、お腹の赤ちゃんがすくすく育つのを実感していく日々がとても愛しく、
それが、膨らんでいくつぼみと重なり、出てきた言葉なので、
自分にとって、貴重で、残しておきたい好きな句となりました。
素人なので、「巧い」俳句は全く作れませんでしたが、
私なりに、春の一日を楽しんだ俳句が詠めたと思います。
いつか、お腹の赤ちゃんが成長して、学校で「俳句」を習ったら、
「あなたがお腹にいる時に作ったのよー」とプレゼントしようと思っています。
結構、中長期的なサプライズ計画(笑)です。
今週末はお花見日和ですね、ほろ酔い気分で一句詠むのも、
後から振り返って楽しいと思いますので、
ぜひ、お試しください!
今回かなり長くなってしまいましたが、
読んでいただいて、ありがとうございます!