一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“型口”
SOU・SOUのプリントは手捺染という技法で染めています。
写真は、竹内の好きな“菊づくし”の手ぬぐいを染めているところ。
ものすごくめずらしい技法というわけではありませんが、業界の主流は機械で染めるオートプリント、あるいはローラープリントです。
手捺染は字のごとく手作業で染めるので、コストは割高です。大きい会社では、ほとんどこの技法は使っていません。
手捺染の特徴は、発色が良いことです。
オートプリントやローラープリントよりも染料を多く塗布することが出来るため、深い色が出ます。
もう一つは、柄によっては版のリピート部分に型口(カタクチ)と言われる線が入ることです。
これは版と版との境目なのですが、日本では細かい柄が多いのと、型口をB反とみなす風潮が強いので(裁断の時にハネてしまう)、市場でほとんど見かけることはありません。
ですので、例として昔の某マリメッコのプリントを見てみましょう。
くっきりと型口の線が入っています。
これにも
これにも
これにも
こちらは昔やっていた手捺染でしょう。
左(モノクロ)は1950年代、右(カラー)は1960年代。
こちらはオートプリント工場でしょう。
1970年代の様子なので、今はもっと近代化されていると思いますが。
SOU・SOUのアイテムでもおはじきと余白、SO-SU-U(一部の商品)等に型口がでています。でも僕はこれを味と思ってます。
おそらく今後はインクジェットプリントが主流になっていくと思いますが、そのときには型口が出ている手捺染の布はビンテージになっているかもしれませんね。
今日は型口の話でした。
それでは、また明日。
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2 件のコメント
てなせんオツですね!
柄物はてなせんは味が出ますね。
次回はてなせん祭りにしましょう。
型口を利用して模様にするというのも面白いですね・・・。