SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“空を眺めるのが好きです/色部 由里子”
暦の上では処暑、そろそろ暑さがおさまる頃とされておりますが
皆様いかがお過ごしでしょうか。
暑がりの寒がりである私はエアコンから離れられない生活をしていますが
今の家は、ベランダから空が見えるので
朝目覚めるとカーテンを開けてその日の空を眺めることが習慣づきました。
気づけば色々なところで撮った空の写真も増えていきます。
光差す夜明けも、すかっと雲一つない空も、雲のたなびく夕暮れも、グラデーションが綺麗な宵の空も
どれも好きです。
雨空だけはなかなか綺麗に写すことができないのですが
季節の移り変わりと雨の呼び方がなんだか面白くて、言葉で表現される空模様もいいなと思います。
花時雨…桜の時期の降ったり止んだりを繰り返す定まらない雨
緑雨…初夏に降る、緑を艷やかに見せる雨
瑞雨…穀物や草木に潤いをもたらす恵みの雨
慈雨…日照りが続いたあとの雨
氷雨…晩秋から初冬にかけて降る冷たい雨
農業をしていた私の祖母は、瑞雨や慈雨のことを“おしめり(御湿り)”と呼んでいました。
夕立のような強く激しい雨が短時間に降ると、土は水を吸い込まず、表面を流れていってしまうのに対し
しとしとと時間をかけて降る雨は、ゆっくり地面に吸い込まれ、農作物にとって恵みの雨となるそうです。
なんだかあたたかみのある呼び名だなぁと思います。
最近の雨というと“夕立”
京都では、お盆の頃によく降っていました。
白雨、という呼び名もあるそうで、こちらは遠くの夕立を眺めてそう呼んだのかなぁと思えるような優雅さです。
伊勢木綿 手ぬぐい/浮世絵(うきよえ)
メインには、歌川広重 江戸名所百選より 大はしあたけの夕立 の模写。
急な夕立に着物の裾をまくり上げ、足早に歩を進める様子は昔も今も変わりませんね。
現代ではこういうことなのでしょうか。
次は雨の中でもからげていただきたい。。
さて、これからは秋雨、秋霖とも呼ばれる秋の長雨の季節がやってきます。
個人的雨の日お気に入りコーディネートはこちら。
むわっとした湿気にも肌寒さにも臨機応変に対応してくれる高島縮 薙刀長方形衣
雨の日にはこの裾の長さがぴったりな広形もんぺ はぎ丈
足元は冷えるので膝下丈の足袋下を。
もちろん替えも忘れずに!
そして、地下足袋出勤をしたのち、足袋下を履き替え、屋内では下駄に履き替え、ムレ知らずの快適さです。
そういえば、この方の名前の由来は秋雨の降る音からだそう。
瀟々と降る秋雨もまた、楽しみです。