Gallery SOU・SOU /
“SOU・SOU×京都造形芸術大学 古川帆南美”
『Gallery SOU・SOU』について・・・
僕は今、京都造形芸術大学の空間演出デザイン学科のファッションコースと美術工芸学科の染織テキスタイルコースの教壇に立たせて頂いています。沢山の学生の中にはキラッと光るモノを持っているな、と感じる人がいます。そんな僕好みの作品をこれから不定期で『Gallery SOU・SOU』として紹介させて頂こうと思います。
第一回目にご紹介するのは、大学院生の古川帆南美さん。
彼女は『BORO』というモノに興味を持っていて、以前別の課題で縮みを使って『BORO』をイメージした作品を作っていたのですが、どうせなら伊勢木綿でやればもっとイメージに近いものが出来るのではないかと思い、一緒に伊勢木綿織元の臼井さんのところに行って反物を選んでもらい、SOU・SOUのもじり袖と風靡下のデザインで、パッチワークした作品を制作してもらいました。
縫製等は素人ですがそこも又『味』となる作品に仕上がったと思います。
現在テキスタイルアートとしても注目を集めている「ぼろ」と呼ばれる農民の衣服。
どんなに小さな布切れでも無駄にしない心意気、そして美しさのためではなく家族を想って一針一針縫い込められた手仕事の温かさに心惹かれました。不器用ながらも美しい、無意識の造形に少しでも近づければと、私自身も針を持ちミシンを踏みました。実際に臼井さんの伊勢木綿の工場を見学させていただき、自身で直接選別した生地を使用しています。
江戸〜大正時代の柄を中心に伊勢木綿を
パッチワーク
細く裂いた生地をミシンでたたいて出来た衿部分。
もちろんオリジナルのBOROとは違いますが、独特の面白さが出ていると思います。
古川帆南美 -ふるかわ ほなみ-
和の世界を自身の中で変換し現代に生み直す、和と現代を自然な形で繋ぐということを意識し制作を行っています。人が身に纏うものを中心とし、作品を通じて和の世界観や物語を感じ取れるようなモノ作りを目指しています。
2006.4 京都造形芸術大学染織コース入学
2007.10 産学共同着物デザインプロジェクト選考後商品化
2009.3 企画展「新生!モスリン―現代作家の仕事―」
着物ファッションショー参加
2009.7 グループ展「自由研究展」
2010.10 企画展「モスリンの森」
2010.11 グループ展「染織の旅に出かけよう」