SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“春待ち、おいしい絵本”
日々、身をもって、もうすぐ暖かくなる予感がしますね。
名残の冬の楽しみに、こんな本をおすすめしたく。
◆ ◆ ◆
「ふしぎなおきゃく」
町のラーメン屋「とんちんけん」には、あやしいお客さんがやって来る。
できたてのラーメンの、スープを一口だけ飲んで帰ってしまう。
ある日店主のけんさんは、あやしいお客の後をつけて町から村へ、
村から山へ、そして気づけば雪ふかい山奥で道に迷ってしまいました。
いいにおいにつられて進むと雑木林のすき間に「のうさぎけん」という
ラーメンの屋台が現れました。
そのラーメンのスープはけんさんのお店のスープの味にそっくり。
「これはおれのスープの味じゃないか」
「本当にそう、思うかい?」
あやしいお客の正体は、この屋台の店主のうさぎでした。
けんさんのお店にかよって、スープの味の研究をしていたのです。
◆ ◆ ◆
絵は「こまったさんシリーズ」でも有名な岡本颯子さん。
これ以上なにも描きこめないし、ここからなにも引けない、
とてつもなくバランスのいい絵で、素晴らしいです。
そして個人的には「おいしいラーメンで繋がる」というのが、
ほんとうに日本っぽいなぁ?と思えて、国外の方におすすめする機会が
あれば、1番におすすめしたい絵本でもあります。
そろそろ残り少ない寒い日に、冬のおいしい本を読んでみてください。
(尾崎)