一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“親父”
僕の親父は実家で食堂をやっています。
中学の時から手伝いを始めて、もう50年以上経つそうです。
さすがに最近では体も大分弱ってきているように見えます。
僕は小さい頃から親父に何かを教えられたという記憶があまりありません。
勉強しろとうるさく言われたこともない。
ただ先日、親父が誤って怪我をして救急病院に行った時のこと。
お医者さんから腫れがひくまでしばらく安静にしておいて下さい
と言われたのに、次の日の朝物音がするので厨房を覗いたら、
一人でうどんの出汁をとっていました。別にそんなに繁盛している
店でもないし、「こういう時くらい休めばいいのに」と言ったのですが、
「馴染みのお客さんが来るから」と僕の言う事を聞かない。
そういえば、今まで何があっても休まない人だった。
親父がさぼるということも想像がつかない。
小さい頃はそんな姿が“無茶をする人”というふうに映っていたけれど、
今は違って見えている。今も親父とはあまり口を聞かないけれど、
実はちゃんと教えられているものがあった。
- プロデューサー若林が最近書いた記事
- 関連記事
-