一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“【一日一駄話】”
若い世代の力
名古屋芸大の学生ブログが更新されています。
絞りまつりまでは、毎日更新される予定です。
学生達は、スズサンの村瀬さんのお話や僕の講義の内容から産地の現状を知ったり、張正さんで板締め絞りを教わったりしながら、それぞれが?絞りで布を模様染めする?という事を学んでいます。
今はインクジェットで写真を生地に染められる時代です。
一方、絞りで布に模様を染めるというのは、人類最初の染めのテクニックです。
この原始的なテクニックが極限まで昇華して世界一になったのに、今では終焉を迎えかけているというのが有松鳴海絞りの産地の現状です。
もちろん今でも多少の生産能力はありますが、90%以上は中国製だそうです。
その中で、若い世代の新しい感性によって、この原始テクニックを再度昇華させることが出来たら、それは素晴らしいことですね。
僕は個人的には絞りに高度な技術力は求めません。
求めるとすれば、
・ 若い世代に受け入れられる感性があるデザイン
・ 商品が日常的である
・ 国産
この3点です。
だから、
・ 古い世代に受け入れられる感性のデザイン
・ 非日常的な商品
・ 中国産
この3点で商売している業者とは折が合いません。
いいんです、それで。当然です。
有松鳴海絞りというのは、一作家ではなくて日本の絞りの産地です。
どんな形であれ、?絞りで布を模様染めする?ことを中心とした産業でこの先も続いていくのが理想です。
そのためには、若い世代の力が必要不可欠です。
名古屋芸大による絞り染めの取り組みは、この先非常に楽しみです。
次は久野染工場におしかけましょう。