SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“【SOU・SOU日記】”
ブルーウィロー
実家に昔からあるこのティーカップ。お客様が来るとこの器で紅茶を出していました。懐かしー、と先日京都に帰った際に写真を撮ってみました。何年か前のある日、雑誌かなにかにこの器の柄についての記事を見つけました。 この柄は「ウィローパターン」と呼ばれるもので18世紀後半に英国の陶磁器メーカーミントンの創始者であるトーマス・ミントンに
よって創られたと言われているそうです。その名の通り柳(ウィロー)、二羽の鳥、楼閣、橋、小舟等を
描いた図柄で白地に青で描かれた製品が多いことから
「ブルーウィロー」とも呼ばれています。
一説によると、この図柄は中国の高官の娘コンセーに恋を
したチャンという若者の二人の結ばれなかった悲恋の物語が
ベースになっているそうです。
橋を渡る三人の姿や高官の楼閣、そしてかなわぬ恋に魂となって
寄り添う二羽の鳥。そんな物語を知るとより思い入れが深く
なります。
日本でもいろんな陶磁器メーカーで販売していて、ある時期とても
流行ったそうです。
写真を見て「あ この柄、家にあった!」という方も
いらっしゃるかもしれません。
実際、叔母の家にはコーヒーカップがあったのですが、
私がうらやましそうに眺めているのをみて、
「使ってへんし、持ってっていいでー」と。思わずにんまり。
同じウィローパターンでも違った雰囲気です。
アンティークのコレクターの話によると、鳥がいない方が
年代が古い、とか。鳥に眉毛があるものはレア、など
いろんな見方もあるようです。
私にとっては幼い頃、お客さんが来てくれた時のワクワクした
楽しい気持ちを思い出させる宝物。
東京には持って来ず、実家に帰って眺める。というのが
なんとなく 気に入っています。
(東京店 岡部)