SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“伝統産業 – 石川・長野編-”
○石川「加賀繍(かがぬい)」
加賀繍とは、室町時代初期に石川県にある加賀地方への
仏教の布教とともに、
主に仏前の「打敷(うちしき)」、
僧侶の「お袈裟(おけさ)」
など荘厳(しょうごん)飾りとして伝えられた手刺繍の技法です。
*荘厳飾りとは、仏像や仏堂を美しくおごそかに飾ること。
お寺のご本尊や、教会の礼拝堂の事も言いますが、
他にもその衣装の事も含まれます。
加賀繍の特色は、金糸や銀糸をはじめ多種多様の絹の色糸を、
一針一針手で繍い上げて描く模様や絵の美しさにあります。
糸を何重にも重ねて繍い、立体的に見せる「肉入れ繍」
や、絹糸の色を変えながらグラデーションをつけていく「ぼかし繍」
が特徴的です。
肉入れをしたものは柄に立体感があるので面白いですね。
○長野「信州手描友禅」
「信州手描友禅」とは草や木の樹皮などから煮出した天然の染料を使って描く、
全国でも珍しい自然豊かな信州から生まれた友禅染です。
草木(写真はヨモギ)を刻み
鍋で煮て
煮出した染料に液を入れ
染料が出来上がります。
その染料で手描きをし
完成します。
化学染料では出ない、独特の優しさのある色合いが素敵ですね。
色々と各地方の産業を調べていて思うのですが、
着物などの技法の数多くは「京都から伝わった」や「京都より招き入れ」とあります。
改めて京都の素晴らしさを感じます。
2 件のコメント
今回のブログも内容が素晴らしい!
金沢は現役時代仕事でよく行っていました。
金沢の人は京都好きな人が多いですね。加賀友禅とか京都と共通の伝統産業もあり小京都というのにぴったりの都市ですね。
島津利雄様
コメント頂きありがとうございます。
私は金沢にはまだ行った事がないのですが、美術館や小京都の街並みに大変興味があります。
もっと色々な地方に「小京都」が出来てゆけば、今以上に「美しい日本」になっていくのではと思っております。