本間と古川の染織倶楽部 /
“第八話:藍捺染について”
染織倶楽部、第八話は藍染めの世界から革新的な技法を生み出した
藤田染苑の『藍捺染』についてお届けいたします。
『藍染め』といいますと古くから伝わる植物染料の代表格ともいえる染色技法のひとつです。
■名所江戸百景より神田紺屋町
藍染めは染液に浸し、空気に触れさせ酸化させることで色を定着させます。
深い色を出すまでその工程を繰り返すため、
好みの色を出すまでには時間を要する根気のいる染色技法です。
また、藍染めで柄を出すためには絞り染めが主流です。
しかし、藍を自由に、色んな柄で手捺染する世界初の「藍捺染」の技術を生み出したのが藤田染苑の藤田さんです。
SOU・SOUでは手ぬぐいやくびまき、のれんなど伊勢木綿商品で展開しております。
これらは全て、天然の藍を使用しています。
■SOU・SOU×藤田染苑 藍捺染 くびまき/すいぎょく
これからの季節にぴったりな爽やかな色目です。
藍について調べていて個人的に興味深かったのが、
IDG(インディゴ)48もとい『藍四十八色』と総称される色名です。
左から甕覗き(かめのぞき)/水浅葱(みずあさぎ)/納戸色(なんどいろ)/
藍(あい)/留紺(とめこん)
取り上げた色名は一部ですが、微妙な色の発色からこれだけの色が生まれたそうです。
色名の由来は割愛させていただきますが、興味のある方は是非調べてみてはいかがでしょうか。
SOU・SOUの衣類の色名にも用いられているので、馴染みのある方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
その色の深さに、藍の魅力を感じます。
左:手ぬぐい/間がさね 青和
右: SOU・SOU×藤田染苑 藍捺染 手ぬぐい/間がさね
同じ柄、青の色の商品でも印象が違ってまいります。
これからの季節にもぴったりな涼しげな藍。
是非この夏に、一味違った藍染めをお楽しみ下さいませ。
4 件のコメント
日本の青は藍から来てるのですね。
毎回楽しみに読ませてもらっています。昔の日本人の色彩感覚には驚かされることが多いです。
時代祭の衣装など色の組み合わせががすごいです。
藍捺染の素数使って今年はポロシャツリメイクして着ています。
とても勉強になりました。
島津利雄様
コメントいただきありがとうございます。
私自身も毎回楽しく勉強させていただいております。
原色をぶつけたり微妙な濃淡を重ねたり、昔の人の色彩感覚は本当に豊かだったんだなと感じます。
ポロシャツも手がけられたのですか!
以前お話しくださったユニクロのリメイクTシャツも見せていただくのを楽しみにしてます!
またのご来店お待ちいたしております。
そうですね。藍は深いですね。
日本人の色彩感覚の重要な部分を占めているように思います。海、浮世絵の富士山、そういえば東海道新幹線も青と白。
前田様
コメントいただきありがとうございます。
確かに、浮世絵というと景色の中の鮮やかな青色が思い浮かびます。
藍が庶民の間で親しまれていた染料ということも、関係しているのかもしれません。
今後とも様々な染織についてご紹介していきたいと思いますので、どうぞお付き合い下さいませ。