本間と古川の染織倶楽部 /
“第五話:伊勢木綿「特岡」と「文」について”
染織倶楽部、第五話は伊勢木綿の手ぬぐいに使われる「特岡」(とくおか)と「文」(ぶん)についてご紹介致します。
「特岡」と「文」といってもご存知ない方がほとんどではないでしょうか?
私もSOU・SOUに入社して初めて耳に致しました。
文(ぶん) 特岡(とくおか)
拡大するとこのように糸の密度が違います。
「特岡」とは、手ぬぐい地の中で一番上等な生地の事を言います。
糸の太さは経、緯ともに30番手と言う糸を使い、少し荒めに織られていますが、
文に比べて張りがあり、糸の密度が高いです。
(綿糸は数字が大きくなるにつれて糸は細くなります。)
しつらいで扱っている特岡の生地は
巾37cm、経糸1140本、緯糸約26本(1cm内)で織られています。
ちなみに浴衣に使われているのも経、緯ともに30番手の糸です。
巾40cm、経糸1300本、緯糸約21本(1cm内)で織られています。
「文」は、経、緯ともに20番手の糸を使い、
ざっくりと織ってあるので、生地としては30番手の特岡より薄く感じます。
空気を含み易く、洗い込むとガーゼの様にふんわりします。
通気性がよいのが特徴で、重ねる事により保温力が増します。
肌着やシャツにも最適です。
伊勢木綿のてぬぐい
巾35cm、経糸656本、緯糸約15本(1cm内) で織られています。
くびまき
特岡(とくおか)の名前の由来としては、
江戸時代から栃木県真岡地方でつくられていた上等な木綿の生地のことを、
真岡木綿(もおかもめん)と言い、そこからきているという説が有力だそうです。
今では職人さんの中では「特岡」(とくおか)、「文」(ぶん)ともに、
一般的な呼び方になっております。
てぬぐいや浴衣をご覧になる際に、ちょっと気にかけてみてはいかがでしょうか?
また違った見方が出来て、面白く感じるかも知れませんね。
2 件のコメント
先日、菊づくしの特岡の生地をしつらいで分けて頂いたのですが、いつもの手ぬぐいのフワフワ感とは異なり「違う生地だったんだ」と思っていたところに、タイムリーな情報でした(^o^) 毎回詳しい解説楽しみにしております。
しちょ様
いつもありがとうございます。
本当にタイムリーですね。
少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
またのご来店をお待ち致しております!