一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“SOU・SOUへの道(46)”
※これまでの「SOU・SOUへの道」はコチラ
今、京都のSOU・SOUが点在してる裏寺あたりは、昔僕がまだストリートカジュアルのお店をやっていた17、8年前は、もっと怪しげな雰囲気だった。
飲み屋、風俗、ゲーセン、24時間営業のポルノ映画館、放置自転車、そして浮浪者。
若い女性は誰も近づかなかった。
僕はそんな雰囲気が逆に良いと思って、そのあたりにお店を4店舗構えていた。ある日、知り合いの不動産屋から、この辺に3階建てのテナントビルが建つことを教えてもらった。僕のお店とお店の間だった。
そして、すでにテナントのオファーが来ているとのこと。こっそりどんな商売か聞いたら、なんとエロ本屋だった。
ただでさえ、この辺は風俗感があるのに、追加で巨大エロ本屋が出現してしまったら、ますますこの地域がエロ街化してしまう。これは何とかせねばいかんと思い、いろいろ動いた結果、最終的に僕の当時の取引先だった原宿の人気ショップがテナントとして入ることになった。
あぶないところだった。
その頃をきっかけに少しずつ服屋さんが出来始め、若い人も歩くようになってきた。そして、ある日風俗店が1つなくなり、JAZZ BARになった。何年か後に、24時間営業のポルノ映画館がなくなって、古着屋になった。
その間、風俗だけでなく、残ってほしい古い喫茶店や居酒屋もなくなっていった。それらも家具屋、服屋に変わっていった。少しずつ放置自転車もなくなり、浮浪者も歩かなくなり、気がつけば17、8年前とは様変わりしていた。
そして、昨年とうとう最後の風俗店もなくなった。これで裏寺には風俗店がゼロになった。
長い裏寺エロ戦争にピリオドを打ったのだった。
ちなみに、3階建てのエロ本屋になる予定だった場所は、今はSOU・SOU傾衣になっている。
写真はSOU・SOU KYOTO 青山店で使う釜。
これに絵付けします。お楽しみに。
それでは、また明日。