SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“和装と洋装- 右前左前 –”
夏真っ盛りの8月ですが、いつもスーツなどを着ている方も夏祭りなどで浴衣
で出かける事が多くなると思います。
その時ふと
「いつも着ている洋服と左右が違う??」
と思う事はありませんでしょうか?
(男性は変わりないのでこれは女性限定ですが)
ご存知の方も多いと思いますが
和装の世界では「右前」にして着るのが当たり前。
「左前」だと「死装束」になってしまいますね。
でも何故男性女性共「右前」で着るのでしょうか??
実は元々飛鳥時代までは日本人は衣服を左前で着ていました。
しかしながら、奈良時代の途中に時の権力者が
随や唐の服装をまねして、男女問わず右前に改めさせたので
それ以来日本の服装はすべて右前になったみたいです。
という事で「右前」での着方は実は日本独特のものではないのですね。
調べた自分でも驚きでした。
では何故「左前」=「死装束」なのか?
これはこの映画を見た方ならお分かりかもしれません。
「おくりびと」です。
実は「納棺師」に深く関わりがあり、
葬儀に関係するものごとでは、通常の逆に行なう
「逆さごと」
というものが行なわれています。
例えば枕元に屏風をひっくり返して立てる「逆さ屏風」。
水にお湯を注いでぬるくする「逆さ水」。
死者のふとんを天地逆さにする「逆さ布団」
といった作法が残されており
その中に死者の着物を逆さに着せる。という作法がある事から
「左前」=「死人」
という定義が出来上がったみたいですね。
尚、逆さごとの由来は、
“死者の世界は、この世とは逆になっている”
と考えられていることと、
死者の世界と生者の世界との間に隔たりを作り、
生者を守るために行なわれるとされています。
ちなみに洋服は
「男性は右前」「女性は左前」
となっています。
こちらは諸説ありますが
13世紀頃に釦が発明された際、
人間は右利きが多く、釦が左側にあった方が都合が良かった為始めはみな右前でした。
男性は自分で洋服を着ていたのですが、
上流階級の女性は召使に釦を留めてもらっていたため、左右逆になり
女性=左前になったようです。
今後和装の際は右前左前にご注意くださいませ。
追記
長文最後まで見て頂いた方どうも有難うございました。
*この日記での「右前/左前」は、他人から見ての右前左前です。