そのひと、そのもの / SOU・SOUスタッフ60人のストーリーのある愛用品を紹介
“特別インタビュー”
祇園獅子舞
人から人へ。受け継ぐ伝統文化
八坂神社・祇園獅子舞保存会に所属。舞手として参加するネットショップディレクター矢寺(以下/矢寺)と着衣店長石田明日香(以下/石田)に祇園獅子舞の活動の内容やきっかけなど。会社の枠を超えて自身でも伝統を受け継いていくその思いを聞きました。
祇園祭の獅子舞奉納行事、お疲れ様でした!
矢寺 石田 お疲れ様です。
祇園獅子舞保存会に入って矢寺さんは10年!長いですね。始めたきっかけは?
矢寺 きっかけは、八坂神社で偶然遭遇した獅子舞の奉納行事。とにかく「かっこいいな~っ」と恋に落ちました(笑)。それで参加したいと電話したのがきっかけです。
一目惚れですね!明日香店長は初めて1年ぐらい。きっかけは?
石田 SOU・SOUに獅子舞が来てくれるようになって。私も一目惚れで(笑)。
かっこいいのと、みんなが笑顔になる行事ってすごくいいなと思って。お客さんはもちろん、矢寺さん含めやってる方々がすごくいい笑顔で、それに惹かれました。後のカミカミタイムの賑わいでみんなを幸せにしている様子を見て、やってみようかなとより後押しされました。
そもそも祇園獅子舞はどんな活動をされているんですか?
矢寺 祇園祭の奉納行事が主な活動です。ちなみに1200年前の平安時代の絵巻『年中行事絵巻』にも獅子舞が描かれています。
SOU・SOUでやることは、活動としては珍しいんですが、やることでいろんな人に知ってもらえる意味はあると思います。京都に来てよかった、日本に来てよかったと一人でも多く思ってもらえたら嬉しいです。
祇園獅子舞の魅力を教えてください。
矢寺 魅力は、型があるところです。全国的に見ても踊りの型がある獅子舞は限られています。祇園獅子舞の型は人間国宝 茂山千之丞さんが作られました。元々狂言からきているんです。凛と実に京都っぽいところも好きです。
明日香店長は?魅力とか、やってて楽しいこととか。
石田 やっぱり、人が集まってくること。獅子舞にはそういった魅力があるというのがすごく惹かれるところです。獅子舞がいるだけで、みんながわーっと寄ってくる。不思議なパワーを感じます。子供も大人も海外の方も、みんながハッピーになれる。見てるだけじゃなくて、実際に噛むのもあるからみんなが参加できる。
矢寺 そうそう。
石田 あとは祭の花傘巡行の時とか、観客の方との距離感がより近いと感じます。獅子舞は結構自由な動きをさせてもらっていて、実際にお客様を噛むことで触れ合える。そこはお客さんも楽しめるんじゃないかな。と。
しんどいな、大変だなと思うことはありますか?
矢寺 仕事との両立とですかね。自由にはさせてもらっていますが(笑)。明日香店長も大変では?
石田 私はそのしんどさよりも体勢です。獅子舞は二人で入るのですが、後ろ足に入っている人は腰を90度曲げる体勢でとても腰に負担がかかるし、前の人は獅子の口を閉じるために紐を「ギューーーっ」と握力で絞らないといけないし、重いし。私はじめは持てなかったですもんね。徐々に慣れてきましたが、とにかくはじめは身体が痛い。
矢寺 あと、明日香店長は「駆けつけ一杯的」に仕事終わりにすぐ来て、そのまま入るのは大変そうですね。僕らは足合わせからやって徐々に体を温めていきますが、仕事帰りにすぐ入るのは準備運動もないし。
石田 あと、大変なのは中に入ると方向感覚がなくなる。
矢寺 SOU・SOUの時、二人で迷子になってたもんね。
石田 いつもと場所も違うっていうのもあるし、SOU・SOUのときは私は前に入ったのが3回目だったから、全然慣れてなくて方向感覚がなくなってました。
矢寺 私は元々方向音痴なんで(笑)。二人とも方向感覚なくなって、間違ったままうまいこといきましたね。
1200年の歴史がある祇園獅子舞。お二人にとって獅子舞の活動を支える意味とは?
矢寺 1200年と言っていますが、随分長い間途切れていたと聞いています。始まりもぼんやり、いつまで続いたかもわからなくて。今の保存会は現主催の遠藤さん達が50年程前に発足したのがきっかけです。
また途切れてしまわないように、少しでも残す手助けをしたいという想いで活動しています。
獅子舞というと疫病退治、学力向上等の御利益があるといわれていますよね。
矢寺 祇園獅子舞は、神輿に乗った神様が清らかな道を歩けるように、神輿が通る前に邪気を払うという事が本来する事だと聞いています。
そういった意味で祇園祭に獅子舞がいるという事がわかってもらえたら嬉しいです。僕らが続けることでまた新しいメンバーが入ってきて、続いていければと思います。諸先輩方もずっと続けてきたので、それを絶やさないように。
石田 誰かがやらないと続いていかない。それを誰かがというときに、じゃあ自分が。日本人として何かしら伝統的なことに携わりたいなというのはずっとあって。だけど、なかなか敷居が高いなと感じていたところに、ちょうど矢寺さんが扉を開けてくれた感じです。何かできるっていうところに繋がりができたので、それを大切にしたいなと思います。
最後に、皆さまに一言!
石田 獅子舞をぜひ生で見てほしいし、人がすごく集まってくるというパワーを感じてもらいたいです。人が集まるとエネルギーが生まれると思います。
矢寺 ぜひ噛まれに来てくださいね!
ありがとうございました!