一期一絵 毎日更新!SOU・SOU読本

令和6年05月19日 日曜日号

一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事

“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【75】”

本日は日曜日!数寄屋大工一家の箱入り娘、寺田 由のコーナーです!



俵屋宗達の「風神雷神図屏風」で有名な京都・祇園の建仁寺。
宋(中国)で禅を学んだ栄西禅師が茶を日本に持ち帰り伝え広めたと言われています。



▲境内には茶の木が植えられており「茶碑」もあります。



境内の牡丹が見頃となった4月20日は栄西禅師のお誕生日。
この日は毎年で「四頭(よつがしら)茶会」なる茶会が開かれています。
現在の茶の湯文化の礎でもあり独自の茶会でもあるため京都市の無形民俗文化財にもなっています。



以前、「ぜひ行ってみたい!」と私が言ったことを伊勢木綿店長の本間が覚えていてくれており、お誘いが嬉しく喜んで行って参りました。


朝イチで受付を済ませても、順番が回ってくるは午後の席。
その間に副席(他流派が設けた茶席)や精進料理をいただきながら順番を待ちます。


▲裏千家のお席は
茶会の意図や場所柄を汲んで全て男性のみで運営されてました



さて、受付の時点で渡された引換券に燦々とする「1」の文字。


これはもしや・・・と思い、受付の方に「もしもお正客の席でしたら私はご遠慮させていただきたいのですが」と申し出るものの取り合ってもらえず。
(※正客とは、茶席で招待客の代表の客。大勢の集まる茶会では本来、お茶の先生や僧侶などなど、とにかく私のような若輩がその席に座ることは天と地がひっくり返ってもないことです。)

しれっと「2」の受付札を持つ本間に

「本間店長、よかったら交換しません?」

と打診してみるも

「いや、大丈夫です!」

とちょと悪い笑顔で断られ・・・。
腹を括って恐れ多くも受付番号「1」の正客を受け止めることに。



ここで「四頭の茶会」のミニ知識を。

建仁寺のお堂の四つの角にそれぞれ1名の正客と6名の相伴客(同席する客)がぐるりと堂内を囲むように配されます。
そこへ建仁寺の僧侶が4手に分かれそれぞれ客の腕に湯を注ぎ茶筅を振ると言うのが流れ。


一応、解説VTRもあります


席順に整列後、席入りいたします。


私が通された席は室町時代の虎のお軸の前


入り口には黒い袈裟の僧侶がずらりと並び、中央の卓で焼香をした後に僧侶が一斉に動き出します。
規律正しい動きは足運びから指の先まで一つ一つに一切の無駄がなく、僧侶と客の一体感はそのひとときを俗世から切り離した非日常感。
私から見える景色は全て逆光であったため、より小宇宙空間にいるかのようでした。



緊張感というよりも放たれる空気感に圧倒され、作法云々ということはすっかり忘れてただただ、その時間を惜しむように身を空間に委ねる思いでした。
実は途中ちょっと分からない作法もあったのですが、僧侶の方が小声でそっと教えてくださったので私のお役目は特になく終わりました。(ほっ!)

こんなにも素晴らしい機会、またあるのでしょうか・・・
と終わった後に少し切なくなってしまいましたが、本間と「来年も来られるように、頑張ろう」と言いながら提灯が灯る祇園町を離れました。





《つづく》



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それでは、また明日。

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【今日の合言葉】

「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」

・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。

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4 件のコメント

  •  今回も貴重な体験談と心地良いお話を楽しませてもらいました(^^)
     その大役を果たしながらも、凛とした雰囲気を楽しめたご様子が伝わってきましたよ〜♪
     今度お会いできたら、またお話聞かせてくださいねぇ╰(*´︶`*)╯
    あっ、由さんの様子は本間店長にも聞いてみよっと(笑)

    ところで、
     私も実は貴重な体験をしまして、先日催された"葵祭"の"路頭の儀"に参加させて頂きました(^^)
     昨日、頼んでいました商品の受取りにお伺いした際にも佑一店長と川勝店長とちょこっと体験談など会話させてもらいましたが、平安時代の王朝風俗の趣きと勅祭の厳かさな雰囲気を楽しませてもらいました。
    と言いつつ、途中に下鴨神社で休息はあったものの、8㌔の道のりと肩に担いだ"傘籠"の重みが予想以上に大変でした(><)

     長文になってすみません!
     これからも楽しみにしております♪
     

  • kazu-endlix R6.05.19 07:15:27
    • kazu-endlix様
      いつもコメントをいただきましてありがとうございます。
      葵祭に参加されたとのこと、程よく心地よいお天気でしたが長い道のりお疲れ様でございました!
      京都のお祭りの中でも一際、趣のある行事ごとですね。
      また、ご来店の際には体験談を楽しみにしております!

  • 番号「1」、正客席とは!本間店長は知っていて・・でしょうね(^^;)
    先日はありがとうございました。
    素敵な茶会。参照HPを拝見するも、何やら凄すぎて(>_<)
    そのような体験を知らせていただき、新たな知識としていつもありがとうございます。
    次回も楽しみにしております。

  • よっ! R6.05.19 11:02:20
    • よっ!様
      いつもコメントをいただきましてありがとうございます。
      HPはなんだか迫力があってすごいですよね。
      私も行く前に確認してちょっと恐る恐る参加したというのが本音です。
      日常にあまりない緊張感はかえって清々しい気持ちにさせてくれる体験でしたよ!

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