一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“SOU・SOUあれこれ【44】”
本日は日曜日!
スタッフ寺田 由が書きますので皆さまどうぞお付き合いくださいませ!
モスリン(毛斯綸)
SOU・SOUの装いに欠かせない生地、モスリン。
ウールでありながら上質で美しいドレープ感。
SOU・SOUのテキスタイルと京型友禅のよる鮮やかな染色。
幾重もの日本の伝統と技術が重なる美しい生地に私たちは魅了され続けています。
旅を続けて伝来した魅惑の布
これまで「SOU・SOUあれこれ」では伊勢木綿や高島縮など日本の風土によって誕生し今なお愛される伝統布をご紹介してきました。
その中で大陸を旅して伝来したモスリンは異色とも言えるかもしれません。
モスリンのルーツはメソポタミアのモスールという地にあるそうです。
「モスリン」というのはフランス語ですが、語源には諸説ありヨーロッパの服飾史からも歴史が古いことが見て取れますが、日本にモスリンが伝来したのは江戸時代末期。
江戸時代末期から明治にかけて、西洋文化に追いつけ追い越せで日本の衣装文化の変化期にはモスリンが重宝したに違いありません。
その後、明治・大正・昭和と日本の織人達の手で練り上げられたこの布は<毛斯綸(モスリン)>と表記され、高価な絹などは手が出なかった庶民達を魅了してきました。
モスリンは絶滅危惧種
日本の近代衣装文化を大いに支えたと言っても過言ではないモスリンも、現代ではあまり馴染みのない生地になってしまいました。
店頭でモスリンをご紹介すると、まれに「珍しい!」とか「懐かしい!」と言ってくださる方もおられますが、それもそのはず・・・。
庶民の心をとらえ大衆文化の中で身近な憧れとして愛されたモスリンも、戦後は合成繊維などの台頭によって現在では日本国内で数社しか製造していない貴重な布となってしまいました。
美しいドレープ感に鮮やかな発色
モスリンをウールと知らずに手に手に取った方に驚かれることが多いのが、生地の質感。
素材は上質なメリノウールで、ウールの中でも梳毛(そもう)という毛足が長い糸の極細の単糸を使用し織られています。
さらっとした手触りと軽やかさで、着用した時のトロンとしたドレープ感が最大の魅力であり特徴でもあります。
そして、京型友禅で染色したときの鮮やかでありながら深みのある発色の良さは他の生地とは違う上品な魅力を放ちます。
軽やかに靡く京型友禅を施した生地
SOU・SOUの装いには欠かせない!
SOU・SOUでも人気のあるモスリン製品。
テキスタイルのインパクトを生かした羽織りや、華やかさと上品さを兼ね備えた一つ身(ワンピース)や上衣(トップス)。
他にはない新しいSOU・SOUの和装をさらに個性的に彩るぴったりの素材と言えます。
お気に入りのテキスタイルを気負わず普段着にしても良し、フォーマルな装いとしてハレの日の特別なおしゃれを楽しむのもおすすめです!
いつものお洒落に、特別なハレ着に。
最後に・・・
モスリンは身に纏うことによって特別なお洒落を味合わせてくれる生地と言えるのではないかと思います。
モスリンが持つ生地の魅力、京型友禅の染色によるテキスタイルの魅力。
それを纏う私たちはモスリンの持つ魅力の魔法にかかっているのかもしれません。
絶滅危惧種ではありながらも、SOU・SOUではまだまだ現役。
皆さんにもモスリンの魔法をぜひ体験していただきたいと思っています。
《つづく》
それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「モスリン」
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6 件のコメント
冬の定番 のお話、今回も「へぇ〜!」でした(^^)
由さんのお話にもあるように、初めて触れた時は「えぇっ!これがウール100%⁈」と驚いたことを覚えております。
この上品な肌触りの源について、由さんの解説で「なるほど!」と、より親しみを持った次第です♪
この<毛斯綸>の"SOU・装"を私が楽しんでいるのは"手柄寛衣下"で、由さんが言う"トロンとしたドレープ感"が溢れ、同時に"しなやかさ"がとても綺麗やなぁと深く思いながら、春夏のの着感触と全く違ったその季節感を"行"のアイテムと合わせて楽しんでおります。
昨日は、久しぶりにご挨拶ができて嬉しゅうございました♪
接客が暇な時に、またお話しできたらなぁと思います(^^)
ではまた、由さんの「彼是・あれこれ」待ってますねぇ(*^^*)
kazu-endlix 様
コメントをいただきましてありがとうございます。
先日はご来店いただき重ねて御礼申し上げます。店内が混雑しておりご不便をおかけいたしました・・・。
またぜひお待ちしております。
モスリンの質感を楽しんでいただいてるご様子!手柄寛衣下は特にたっぷりとしたシルエットが特徴ですので上品なコーディネートになりますね!
まだもうしばらくはモスリンが楽しめそうな陽気ですよ。
ひとつ身を複数揃えて秋から春にかけて大活躍。生地が薄いのに暖かく、着心地もウールとは思えない柔らかさで、ほんと虜になっています! ジバンの色や素材を変えることで、いろんな表情が楽しめるのも魅力かな〜
茜 様
コメントをいただきましてありがとうございます。
モスリンのお洒落を楽しんくださっているご様子、嬉しい限りです!ベースをモスリンの一つ身に、インナーや羽織、あるいはボトムスを加えたりとコーディネートの幅が広がる楽しさがありますね!
これからもぜひ、色々なアイテムと組み合わせてご愛用いただけましたら幸いです!
この冬、ようやくモスリンデビューを果たしました!
柔らかくて、独特の風合い…すっかりモスリンの魔法にかかりました。
絶滅しないように、消費者として出来ることを考えたいです。
chabo 様
コメントをいただきましてありがとうございます。
モスリンデビューおめでとうございます!!絶滅させぬよう、私たちももっとモスリンの魅力をお伝えできるように頑張ります!
普段着にもハレ着にもなれるモスリン、ぜひぜひこれからもお楽しみいただけましらと思います!