一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“SOU・SOUあれこれ【16】”
本日は日曜日!
SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田 由が書きますので皆さまどうぞお付き合いくださいませ!
久留米絣
12歳の少女のクリエーションから生まれた日本独自の織物「久留米絣」。多くの工程と緻密な計算によって生み出される模様は、優しく温もりを感じるもの。長年、人々の暮らしに寄り添い親しまれてきた伝統ある久留米絣とSOU・SOUのテキスタイルが出会い、他にはないポップでかわいい久留米絣が誕生しました!
12歳の少女のヒラメキから生まれた伝統布
久留米絣はその名の通り、福岡県久留米市とその周辺で江戸時代後期から織られている木綿布。「絣(かすり)」とは絣糸で文様を表す日本独自の織物技法のことで、独特な「かすれ」模様は素朴でありながら、日本の簡素な美意識を感じさせる風合いです。
そんな歴史ある久留米絣のルーツはとても興味深いもの!幼い頃からお裁縫や織物が得意であった井上伝(でん)という12歳の少女の何気ない閃きから生まれたそうです。伝の織物に対する好奇心と美しいものや、かわいらしいもへの純粋な視点や憧れが久留米絣を生み出すきっかけとなったのだと感じます。しかし、久留米絣が織り上がるまでの緻密な工程を知れば知るほど、伝の類稀なる「才」を目の当たりにします。
機械化できない熟練の技術
「絣」は織上がった生地を染めるのとは違い、前もって図案通りに計算して染め分けた絣糸を織ることで模様を表現します。言葉にするのは簡単ですが、その複雑かつ手間隙のかかる工程は30にも及び、1反のが出来上がるまでには約2ヶ月もの時間を要します。
図案通りの位置に模様が出るよう、糸を計算された位置で括って染めます
技術の進化で機械化されている工程もあるものの、最終的には職人さんの知識と熟練された技術が必要な工程が多いそう。SOU・SOUがお世話になっている、創業明治31年(1898年)の野村織物さんでは約100年前のトヨタ自動車の前身である豊田式織機を今でも現役で稼働。生地だけではなく機械にも手間がかかります。
久留米絣は1957年、木綿ではじめて国の重要無形文化財に指定されました。その理由は歴史があるからだけではありません。久留米絣の緻密な織りと職人さんの手仕事、技術によって生み出される織物であることが最大の理由です。
伝統の久留米絣とSOU・SOU
別注で織られているSOU・SOUオリジナルの久留米絣
どのテキスタイルも絣の素朴な美しさを残しながら、ポップでかわいいが表現された他にはない新しい久留米絣です。SOU・SOUでは久留米絣の反物を使用して衣類としても展開しています。着物に仕立てのも良いですが、普段着として久留米絣を身に纏うのもちょとした贅沢かも知れません。
久留米絣 襞(ひだ)もんぺ
もんぺと言うと、デザインも昔っぽくて作業用のズボン!と言った印象がある方も多いかも知れません。ですが、洗練された久留米絣が現代の装いの一部として溶け込むのもSOU・SOUのスタイルです。素朴なかわいらしさと着心地の良さでSOU・SOUのスタッフにも人気です。さらに涼しくて動きやすく、お手入れもしやすい久留米絣を特別な時だけの衣類にするのはもったいない!量り売りの生地を使用すればオリジナルの衣類や小物、インテリアとしても活用できます。気軽に身近に楽しめるのが良いですね。
最後に・・・
「久留米絣」と言うと皆さん「良いものよね!」と口を揃えて言われます。私の母もご多分にもれず「高価なんじゃない?でも久留米絣はいいわよね。」と言うぐらい。多くの工程を経て丁寧に守り継がれていく久留米絣。
なんでも簡単に作れてしまう時代になり、その工程を想像することすら困難になっていますが、丁寧に作られた物には言葉では言い表せない魅力があります。この先も日本で生まれた「絣」の技術が継承され、いつの時代でも愛され続ける日本の代表的な織物であって欲しいと思います。まだまだ久留米絣の可能性は無限大。12歳の少女、「伝ちゃん」がかわいい!すてき!と感じたようにSOU・SOUもこの魅力を見逃さずにいたいと思います。
《つづく》
それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「久留米絣(くるめがすり)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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2 件のコメント
「絣」って聴くと何か純朴で懐かしいっていう感覚が沸き立ちますねぇ。
「傾衣」でのアイテムがないから、やっぱり女性用の生地なんやねぇ(_ _)
直接触れたことがないので、今度SOU・SOUに寄って切れ端を買ってみよ♪
kazu-endlix様
コメントをいただきましてありがとうございます。
そうですね!「絣」と聞くとどことなく素朴さや、懐かしい印象ですね!
現時点では傾衣のアイテムにはございませんが、とても着心地もよく細かく見ると織りの面白さもございますのでぜひ、ご覧になりにいらしてくださいませ!