一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“SOU・SOUあれこれ【13】+SOU・SOU×京都芸術大学 貫頭衣展【6】”
本日は日曜日!
SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田 由が書きますので皆さまどうぞお付き合いくださいませ!
あいなせん
藍捺染
織物の文化と共に発展したのが染物の文化。江戸時代に全国的に普及した藍染めは明治時代に来日したイギリス人らに「ジャパンブルー」と言われ、日本を象徴する染色でした。伝統的な染め技法を守るだけではなく、職人さんの技術と研究によって生み出された「藍捺染」という新たな藍の可能性に多くの人が魅せられています。
身近な染料『藍』
デニムや藍染めの衣類など、私たちの一番身近にある染物は藍染めではないでしょうか。日本における藍染めの歴史は古く、奈良の正倉院の宝物の中にも藍染めの織物があります。また、その昔は万能な薬草としても使用されていたとか。
通常の藍染めは藍の染料にドボンと浸け、空気と水に触れさせて色を出す方法が一般的です(浸染染め)。浸ける回数を増やせば濃い色になり、その応用でグラデーションにしたり染め分けたりすることができます。
藍の染料を作ることを「藍を建てる(たてる)」と言いうそうです。発酵させるため温度や湿度にとても敏感で、ぬか床のように毎日手をかけなければいけない、非常に手間のかかる染めです。まさに藍は生き物のようです。
有限会社 藤田染苑
1933年京都で創業した藤田染苑は型と色糊で染める京友禅(型友禅)で昔ながらの技術で職人さんが染めを続けておられる染め屋さんです。染めの街でもある京都には今も街なかに染め工場が多くありますが、藤田染苑だけの特別な技術が「藍捺染」です。
藍捺染は通常の藍染めとは違い、京型友禅の技法を使用して生地に藍を染色しています。
「藍捺染」は世界初の染色技法!
「この商品は『藍捺染』という技術で染色を施しています。」私たちが藍捺染商品を紹介する際には簡単に説明してしまっていますが、実は藍捺染の技術は特別なもので、世界中で藤田染苑ただ1社にしかできない世界初の技術。(特許申請中)
この藍捺染という染色技法を確立させるためには初期の段階で相当な研究とご苦労があったそうです。
藍の色を定着させて染める技術、京都市染色試験センターと共同でペースト状の糊を開発、柄の余白の生地部分に染料を付ない技術など、化学染料ではなく天然染料だからこその職人さんの経験と知識を集結させ完成させた染色技法です。
いくつかのパターンを依頼していますが、中でも藤田社長は「金襴緞子」が一番思い入れの強いテキスタイルだとのこと。
はじめにテキスタイルを見た時、白い余白の部分に藍の染料が付いて白地が汚れる。確実に失敗すると思い一度は断ったそうです。
ですが、色々な職人さんと協力し実験を重ねて成功率を上げることに成功。
藍の濃淡に加え、テキスタイルによっては白地部分があることが藍捺染の強みでもあり通常の藍染めの概念を覆す大きな革新です。
SOU・SOU×藤田染苑
手拭いなどの小物に衣類、ただ一言で藍色と言っても藍捺染によって付けられた藍色の濃淡はカラフルな京型友禅の商品と並んでいても目を引く魅力があります。特に夏の蒸し暑い日本の夏に藍のブルーは一際涼しげ。
夏になると藍捺染商品を楽しみにしてくださっているお声もいただきます。
手間がかかり経験を生かした技術が必要な藍染めは本来は高価で贅沢なもの。
しかし、藤田さんの弛まぬ努力と研究のおかげで安定した価格での量産が可能になりました。
最後に・・・
以前、藤田社長がこんなことを語っておられました。
「伝統的な染め方もある、でも新しい染め方もあるということを社会に提案していきたい。いろんな新しい染め方があるけれど、人の手にしかできない仕事。機械ばっかりでも面白くない!ますます進化していきたい!」
ただ受け継がれていく技術を守るだけではなく、常に新しいことに挑戦される藤田社長。
その情熱を感じることで、更に藍捺染に愛着を持てるようになりました。
大切な技術で染められた藍捺染をお客様に届ける私たちSOU・SOUのスタッフの責任も重大です。ぜひお客様にも知っていただきたい伝統的な革新であり、これからもお客様に喜んでいただける藍捺染商品をお届けしたいと思っています。
《つづく》
↓続いて京都芸術大学空間演出デザイン学科の学生よりお知らせを。
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SOU・SOUのブログをご覧の皆様、こんにちは!京都芸術大学 空間演出デザイン学科 3年生です。
早いことに今日で貫頭衣の販売が終了します!
販売終了後はオンラインでも販売しますが、買ってくださった皆さまのお顔を直接見れること楽しみにしています。お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さいませ!
本日は18:00までになります。最終日も笑顔で皆さまのご来店お待ちしております!
販売終了後はオンラインショップでお待ちしてます。
【SOU・SOU×京都芸術大学 貫頭衣展】
場所:SOU・SOU おくりもの2階
期間:7月15日(金)~ 7月17日(日)まで
12:00〜20:00 ※17日は12:00〜18:00
是非お越しくださいませ!
またインスタグラムでは制作風景や作品の画像をアップしています。学生で運営していますのでぜひ一度目を通してていただけると幸いです。
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「藍捺染(あいなせん)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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5 件のコメント
いつも寺田さんの文章を楽しみにしています。
今回の藍捺染についても、勉強になりました。
(燕子花は、着衣と傾衣両方とも購入しました。大満足でした。)
宵山のLIVEでも祇園祭についての造詣も深く、歴史好き京都好きとしては嬉しい限り。
しろぽん様
コメントをいただきましてありがとうございます。
大変ありがたいコメント、恐縮でございます!
今季の藍捺染もお求めいただき嬉しいです!燕子花はまさに白地部分が多く、藍捺染を存分にお楽しみいただける染色でございます。
宵山のライブでは一部お聞き苦しい音声で大変申し訳ございません・・・。
祇園祭の雰囲気を少しでも感じていただけておりましたら幸いです!
本当にSou Souが好きで、洋服からの呪縛が解かれ自由に服を着ております。
この番組は早く見ていただきたく思いましてコメント欄へとり急ぎ。貼ります。
一般人が知れる最新情報かと思いました。
私はEV車に不信感もあって、ディーゼル車にしたいと思うような人。重ね重ね、和装は気が楽になります。
見れる期間も限定なのでとりあえずこんな共有の仕方ですが。
地球規模でリセットする前に我々にとって大変な事実があるのでは?と思いました。
ほんとに泣きました。
これを踏まえて、再考をお願いいたします。
危機的な状況から脱するための行動が必要かと私は思っています。
杜多陽子様
コメントをいただきましてありがとうございます。
また、有益な情報をお教えいただき恐縮でございます。
これからもSOU・SOUの装いを自由にお楽しみいただけましたら幸いです!
NHKスペシャル「海の異変 しのびよる酸性化の脅威」