一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“SOU・SOUあれこれ【5】”
「茶室あれこれ」に続きまして「SOU・SOUあれこれ」がスタートします。
SOU・SOU傾衣の看板娘が書きますのでどうぞお付き合いいただきましたら幸いです。
伊勢木綿 (いせもめん)
日本には各地に地元に根付き産業として発展した織物があります。
それぞれに素晴らしい特性や技術を有し、生活や日本独自のファッションを発展させてきた文化でもあります。
SOU・SOU立ち上がり後、はじめて出会った織物が「伊勢木綿(いせもめん)」でした。
【三重県指定伝統工芸品】この見出しが付いているだけで、伝統的な織物であることは一目瞭然です。
江戸時代から250年以上続く伊勢木綿。
伊勢木綿の最大の特徴は、一般的な木綿とは違う柔らかな肌触りです。
その特徴を生み出す秘密は弱撚糸(じゃくねんし)で織られているため。
なかなか聞き慣れない言葉ですが、その仕組みはとてもシンプルで一本の単糸(たんし)に2〜3回撚りをかけた状態で織るため洗濯すると糸の撚りが綿に戻ろうとし、生地が独特のふんわりと優しい風合いとなります。
通常の織物は2本の糸をギュッと撚った状態で織るため当然、糸の強度も増し織機の強いテンションにも耐えられるので量産が可能となります。
ですが、伊勢木綿はそうは行きません。
伊勢木綿の緩い撚りの糸は簡単に切れてしまうため、ゆっくりゆっくりと織らなければいけません。
そんな手間隙のかかる伊勢木綿は時代の変化の中で需要が激減し、現在は三重県津市にある臼井織布(株)たった一社でしか生産できない織物となってしまいました。
臼井織布にずらりと並ぶ織機は、今や博物館にも並んでいるトヨタ自動車の前身、100年前のトヨタ式織機が今も現役で稼働しています。
どんな複雑な織物も生産量も現代の技術を持ってすればなんだってできてしまうのが当たり前になっていますが、伊勢木綿は違います。
一台の織機で一日織れるのはわずか一反(13メートル)。
伊勢木綿そのものだけでなく、それを織る織機にも手がかかる。
作り手の熱意がなければ生産し続けることが簡単なことではないということが想像に容易いことです。
SOU・SOUではそんな伊勢木綿の生地にポップなテキスタイルを施し、様々な商品に展開しています。
手ぬぐいや小巾折といった小物の他に、お子様の衣類「わらべぎ」の商品も定番となっています。
肌が弱く敏感な赤ちゃんから安心して着ることができる伊勢木綿のわらべぎは親御さんだけでなくお子様からも好評いただいています。
色々なことが目の回る速さで変化していく時代に、ゆっくりゆっくりと変わることのないペースで織られていく伊勢木綿。
これは決して時代に逆行しているわけではなく、伊勢木綿が昔も今も変わらずに存在しているという証です。
現代に生きる私たちは、ついついスピードにのって色々と欲張りたくなりますが、私たちが伊勢木綿の歩みに合わせていくことでこの先も長く愛される織物として残していきたいものです。
▲臼井織布(株)5代目 臼井成生さんと6代目 臼井良貴さん
伊勢木綿とSOU・SOUの歩幅が重なった時に新たな可能性が生まれるかもしれません。
《つづく》
それでは、また明日
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【今日の合言葉】
「伊勢木綿(いせもめん)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
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(若林)
4 件のコメント
SOU・SOUインスタで機械が動いているのを眺めながら、いつか見学に行きたい!と。
SOU・SOUさんに出合えたおかげで色々と日本文化、様々を知るきっかけに成っています。
これからもよろしくお願いします。
よっ!様
いつもコメントいただきまして誠にありがとうございます。
織機が稼働しているところを目にすることはなかなかありませんが、ものづくりの現場は楽しいですね。
引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。
あれこれ・・・の連載が始まったときに、「伊勢木綿」が取り上げられるのは、いつかなー・・って思っていましたが、まさかこんなに早いとは!私のSOU・SOUさんとの出会いは伊勢木綿からでした。
臼井さんのお膝元に住んでいるにも関わらず、恥ずかしながら、その存在を知らずにおりました。
てぬぐい・・くびまき・・着衣・・と進み、今は着物にたどりつきました。伝統を身にまとう・・そんな心の贅沢をSOU・SOUさんに教えていただきました。感謝しています。SOU・SOU好み・・の新たなライナップ・・楽しみにしています。
はな様
コメントをいただきましてありがとうございます。
伊勢木綿のお膝元とは!意外と近くにあるものは知らなかったりするものですよね。
特に三重県には良いものが沢山ありますし!
伊勢木綿との繋がりがSOU・SOUであったとのこと大変嬉しいです。
今後も伊勢木綿の魅力をお伝えできればと存じます!