一期一絵 毎日更新!SOU・SOU読本

平成21年02月26日 木曜日号

SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記

“【SOU・SOU日記】”

おばあちゃんの話

・・と、言っても自分のではないですが。

ある時期、日本人が和服(特に着物)を普段着に着なくなったのは
いつを境にそうなったのか?
もっとはっきり言うと、特別な衣装として日常から排除され
生活と和服が適応障害のように剥離してしまった
そもそもの発端はどこにあったのか?
とても興味がありました。

日本史の本を読んでいても
はっきりと年表に「何時いつから着物は着なくなりました」とは
明確に書いていません。
そんな時、庭師見習い(の真似事)をしていた際に
近所に住んでおられる70歳過ぎの京都のおばあちゃんが
「孫に小遣いをあげるねん」と
街路樹周辺の清掃のお手伝いに来られていて
お話を伺えました。

「何時から着物って普段に着なくなったんですか?」と聞いたところ
ずばり「戦争のときからやね」。

やっぱりか・・と思いながらも軽いショックでした。
自然に変化した訳ではないんやなと改めて分かったからです。

さらに聞いていくと具体的な話が出てきました。

着物から洋服への明確な変わり目は「もんぺ」だったそうです。

・竹やり等の訓練をする時、着物だと動けない。
・なので二股で分かれたズボンが必要だった。
・で、戦争が終わった後もその動きやすさや便利さに慣れていった。

おばあちゃんの話の要点はこんな所です。

「着なくなった」では無く、実質的に色んな意味を含め
「着れなくなった」のかなと思いました。

うっかり聞き流してしまいがちな
一つの文化に亀裂が入った事を表す小さな話です。

ヤマサキ


スタッフ(ヤマサキ)が最近書いた記事
関連記事

0 件のコメント

  • 興味深いお話、ありがとうございます。
    着物、着ましょう!
    毎日、着物着てますが、そんなに不便なことはないですよ!

  • 二人組 H21.02.26 21:30:11
  • ヤマサキさんがお話を伺ったという清掃のおばあちゃんに国民栄誉賞を!(笑)
    傾衣のヤマサキさん、こんにちは。
    介護の現場で働く私が、一部のおばあちゃんに張り切って着用して頂くのが「もんぺ」です。
    実際にもんぺを着用したおばあちゃん、自ら洗濯など手伝ってくださいます。
    「働く女性」を象徴するもんぺが、戦争を機に盛んに存在し始めたと聞くと、お年寄りの方にとっては「強さ」を見せなければならない代物であるんかいな、とも思えてきました。
    (うまく表現出来んでごめんなさい)
    私事ですが、いつの日かこの世に「死に装束専門店」みたいなものが存在してたらいいなー、と思います。
    決して悲観的なものでなく、最後の時までオシャレを楽しむスタイルが見出せる場所です。
    カラーや柄などバリエーション豊富な上に格安設定。
    とまあ、好き放題書かせてもらい失礼しました。
    履き心地満点、SOU・SOUさんのもんぺは私にとって究極のおしゃれです。

  • いなかっぺ寮母 H21.03.01 08:48:20
  • いなかっぺ寮母様
    もんぺが介護の現場で活躍している話
    大変参考になります。
    活き活きとしているお婆さん達が
    目に浮かびます。
    実際にSOU・SOUのもんぺを愛用して頂き
    誠にありがとうございます。
    もんぺ自体の存在は和と洋を繋げる
    一つの中継地点のようなものだと
    僕個人では考えています。
    戦前に縛られていた女性の自立が
    促されたのに一役買っていたのが
    もんぺの側面だったのかも知れませんね。
    物事には両極の面があるので
    見聞の浅い自分にはまだ
    知らない事が多々あります。
    死に装束の話は考えてもみませんでした。
    実現すると楽しそうですね。
    綺麗にして見送ってあげる心遣い。
    よく「これから先」に思いを巡らせますが
    その究極ですね。
    固い文章になってしまいましたが
    これからも気楽に
    SOU・SOUのもんぺを楽しんでください!
    長文失礼致しました。
    ヤマサキ

  • 匿名 H21.03.02 16:46:43
  • 二人組様 
    コメントありがとうございます。
    そうですね!
    二人組様のように
    毎日格好よく着物をきて
    実践しておられる方がいますもんね。
    自分は風靡を着ていきます。
    余談ですが
    おばあちゃんの話には続きがあって
    戦前までは日常着で着ていたので
    不便と言う理由だけではなかったようです。
    結局、
    理由の結論としては「何でやろうね?」でした。
    その「何で?」が割と重要だと思うんです。
    是非これからも着物を着て、傾いてください!
    ヤマサキ

  • 匿名 H21.03.02 17:05:53
  • 調子ぶっこいてコメンツ第2弾送らせていただきます。
    先日はお忙しい中、拙い文章にお付合いくださりありがとうございました。今回の内容については聞き流して頂くだけで結構です。
    死に装束の話、SOU・SOUスタッフの方にはわかってもらえるかなと思っていました。
    介護の現場でもんぺは活躍していますが、時折上司から「もっとおしゃれさせてあげてよー」、てなお小言が飛んできたりもします。(笑)
    ただ、人間の残存機能さえも維持してくれるものであるならこんなに優れた介護用品はない、とぺーぺー寮母は思うのです。
    時々SOーSUーU柄のTシャツを仕事着にしてます。
    後ろのSOU・SOU印字を見たおばあちゃんに「これ、あんたとこの家紋か?」と言われて拍子抜けしたことがありました。
    こんなやり取りが楽しくてこの稼業頑張れている気がします。

  • いなかっぺ寮母 H21.03.03 23:27:28
  • いなかっぺ寮母様
    コメント第二段ありがとうございます。
    自分の母親もケアマネージャーの資格を有する
    元看護士です。
    患者さんの喜ぶ顔が一番嬉しいと
    よく言っていました。
    そんな現場で
    もんぺが活躍しているのは何より有難く思います。
    お体にお気をつけてお仕事頑張って下さい。
    ヤマサキ

  • 匿名 H21.03.05 18:09:08

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

LINEにてお問合せいただくには、SOU・SOUとのお友だち登録が必要です。 LINEお問い合わせ窓口 新規お友だち登録

<営業時間>
12時~17時 ※水・日曜定休

※営業時間外でもメッセージを残していただければ、翌営業時間内にご連絡をいたします。