一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【53】”
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
若林を長いことお待たせして完成したSOU・SOUの茶室。
「エルメスのバーキンより長いこと待ちましたー!」
と、若林に冗談を言わせてしまうほど本当にお待たせしました。
SOU・SOUスタッフの皆も茶室の存在すら忘れていたであろう、お日柄の良い日に無事、引き渡しの運びとなりました。
その日、若林の計らいで茶室の試運転も兼ねて私の両親に一服お茶を点てることになりました。
もちろん若林が・・・
ではなく私。私!?
いつぞやの打ち合わせでのこと
若「茶室ができたら君を一番最初に使わせてあげるわー」
私「いやいや、結構です!依頼主を差し置いてそんな厚かましいことできません!」
若「そんなん、関係あらへん。」
私「あ、はい。」
こんな会話が現実になってしまいました。
とは言え、準備って何するんやろ?
道具一式は用意されていたのですが、その他は「好きにしーやー」とのこと。
「好きにしーやー」が一番困るやつや・・・どないしよ。
と心の中でぼやきながら、見様見真似で準備することに。
主菓子には単に私が食べたかった「雪餅」(千本玉壽軒 謹製)を。
お干菓子には伊藤軒×SOU・SOUのお菓子を2種類用意しました。
お花は椿と山茱茰(さんしゅ)。
いや、お菓子ってこんな出し方でもええんやろか?
え?お花ってこれでええんやろか?なんか違う!?
もう頭の中が「これでええのんー?」の大合唱!
お花の具合がどうも・・・ということで母親にラインをしてアドバイスをもらったのはここだけの話。
良いも悪いも、ひとまず親だからいいか!
と、無理やり自分を納得させて、いざ茶室へ足を運ぶと自分の両親と社長の若林夫妻が並んでいます。
緊張などと言葉にできる感覚というより、クラっと立ちくらみがしました。
若林の方を向くと急によそよそしくなり、なんとも言えぬアウェー感。
ですが、最初こそ緊張感もありましたが徐々に和やかな空気になるのは狭い茶室空間ならではのことかもしれません。
ちなみに、緊張した私の手から伝わって柄杓の先からポトっと炉縁にお湯が落ち、真っ新な畳に茶杓からサラっと抹茶が落ち・・・
粗相をしてしまったことで見事に私が「初汚し」の汚名をいただくことになってしまいました。
これで、後から使うスタッフが心置きなく使えると言うことでお許しいただきたいところです。
至らぬことが多く、茶道の先輩方には到底ご披露できるようなものではありませんが、経験として忘れられない一期一会となりました。
正解があるようでない中で試行錯誤しながらの大いなる大冒険。
若林の粋な心遣いに両親共々感謝しかありません。
《つづく》
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それでは、また明日。
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6 件のコメント
本当に素敵な会社に入られましたね。
『「好きにしーやー」が一番困るやつ』ですよね(^^;)
いつかSOU・SOUのお茶室、拝ませて頂きたいです。
よっ!様
コメントをいただきましてありがとうございます。
そうですねー!「好きにしーやー」は若林からの愛ですので心して受け止めました。
素敵なお茶会だった様子・・
椿の花と雪餅・・お茶室の外の季節感・・を感じています。
SOU・SOU抹茶碗も気になるところです。(私も欲しいです)
お点前の失敗は、don’t mind!
寺田さんの完璧すぎないところが、寺田さんの魅力なんだと思います。失敗を場の和みに変えられる、そんなこと誰にもできることではないと思います。
はな様
コメントをいただきましてありがとうございます。
季節を感じていただけて嬉しいです。
そして、とても嬉しいコメントに感涙です!
精進いたします。
SOU・SOUのお茶碗は非売品ですが、私もいつか商品になったら一目散で手に入れたいお道具です!
またひとつ素敵なエピソードを拝読し、朝からほわほわしております。いろいろと作法はありますが、お茶は相手を思い、どうおもてなしすれば喜ばれるかなんですね。そういう点では寺田さん、満点だったのでは?
社長さんの粋なはからいもさすがですね。
chabo様
コメントをいただきましてありがとうございます。
お優しいコメントに救われます!
身近な人をもてなす経験もこのようなことがなければないことなので、若林の力をかりてちょっとだけ親孝行させていただきました!