一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【46】”
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
【番外編】
朝夕の冷え込みも一段と冬の気配を感じさせるようになりました。
街中はハロウィンからクリスマスへと急に年の瀬感を迫り立ててきます。
でも、その前にちょっと待ってー!!
っと思わず言いたくなる行事があります。
先週の11月11日は「亥の子の日」でした。
あまり馴染みのないお祝いごとかもしれませんが、お茶の世界では「炉開き(ろびらき)」を行う大切な日です。
夏の間は少しでもお客様に涼しく過ごしていただくように、火を遠ざけ小ぶりな釜を使ってお点前をしますが、段々と寒さが深まる季節には囲炉裏である「炉(ろ)」を開けて大きな炭を使い釜に湯を沸かして暖をとります。
そして、初夏頃に摘み取られた新茶が入った壺を開封し、茶を挽いて皆でその年の新茶を祝いいただく「口切りの茶事」が行われます。
季節を改め新茶をいただく、お茶の世界ではとても大切な行事であり「茶人の正月」とも言われています。
おっ、炉開きと言うことは「亥の子餅」を食べる日だ!
▲今年いただいた亥の子餅は亀屋良長謹製
と、日本の古き良き習慣を自身の食い意地で記憶してしまっていますが、なぜ「亥」なのでしょうか?
調べてみると、陰陽五行説で「亥」は水性に当たり、火災を逃れるという信仰があるそうです。
昔は木造の建物が多く、何よりも火災が恐れられていました。
そのため、亥の月の亥の日に、炉(囲炉裏)を開くと火事にならないとされたそうです。
今日ではこの日に炬燵や暖房器具を出すと良いそうですよ。
また、小豆や胡麻などの穀物を使った餅を食べ無病息災を願い、子沢山の亥にあやかり子孫繁栄の想いも込められています。
毎年深い意味まで知らずに、こう言うものか・・・と思っていた季節の行事も、調べてみると理に叶うことに驚きます。
なにはともあれ、また季節が巡り気持ちも新たにお稽古に励みたいと思います。
《つづく》
========================================
それでは、また明日。
-------------------------------------------
【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。
-------------------------------------------
5 件のコメント
亀屋良長さんの漢字間違ってませんか?
匿名様
コメントをいただきましてありがとうございます。
ご指摘いただきました通り、店名の表記に誤りがございましたので正しく訂正しお詫び申し上げます。
大変失礼いたしました。
今後とも何卒お願い申し上げます。
いつも学びの場をありがとうございます。
「亥の月の亥の日に、炉(囲炉裏)を開くと火事にならないとされたそうです」
「季節の行事も、調べてみると~」自分で調べることもなく(^^;)
この茶室彼是がありがたい学びの場所に成ってます。毎週楽しみに\(^o^)/
よっ!様
いつもコメントをいただきましてありがとうございます。
私も知らなかったことを知れる機会になって楽しいです。
昔の人は色々なことを考えながら生活していたのかと思うと、ボーッとしている場合ではないですね。
精進いたします!
茶道の中で、炉開き・・・が私は一番好きな行事です。
初釜も背筋が伸びる素敵な行事ですが、炉開きは、季節的に、暑くなく、寒過ぎず、お茶の温かさが嬉しい行事です。
茶道の文化って、「そういうものだから」とそのまま腑に落としていると、実はちゃんと意味がある伝統があり、奥深く味わい深いです。
私の先生は、炉開きは、いつもおぜんざいを振舞ってくださいます。 亥の子餅、美味しそう・・。
毎年のことですが・・炉の作法・・そしてちゃんと忘れてます。
番外編も楽しく読ませていただきました。寺田さんに、いつも「知るは楽しい」を教えていただいています。