一期一絵 毎日更新!SOU・SOU読本

令和3年10月24日 日曜日号

一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事

“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【43】”

数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!



SOU・SOUのスタッフ同士の会話でお茶のお稽古の話題になることがしばしばあります。
「こんなお道具で、あんなお点前で、とにかく正座が辛すぎる」
内容は概ねこんな感じです。

「とにかく正座が辛すぎる。」

正座はお茶のお稽古の試練とも言うべき避けられない現実。
幸い私は正座が苦にならないラッキーな体質なのですが、人によっては慣れたり慣れなかったりするようです。

「畳」は茶室に限らず、日本の建築とは切り離せません。
SOU・SOUの茶室ももちろん畳です。
家に畳の部屋がなくともやっぱり畳の部屋は落ち着く!なんて人も多いと思います。
身近でありながら需要が減り続けている畳。

SOU・SOU茶室の畳は京都にある高室畳工業所に依頼して納めていただきました。
「ピンからキリまで」という言葉がありますが、畳にもピンとキリがあるようです。

もはや日本産ではない畳まである中、日本で最高級と言われる畳は「中継ぎ(なかつぎ)畳」と言われるもの。
通常は一本の藺草(いぐさ)を根本から穂先まで使うものを、あえて中間のいい部分だけを切って継なげて編み込む。
そのため畳の中央には薄ら継いだ部分が線になって見えます。
また、畳の縁(ヘリ)は麻を本藍染めで染めたものを反物にし、縁のためだけに使用されるそう。
ちなみに中継畳は、京都迎賓館や表千家不審庵でも使用されているそうです。
父曰く足あたりが全く違うとのこと。
▲SOU・SOU茶室の畳の縁も麻の本藍染め

日本で極僅か、とびきり希少なこの技術をお持ちの高室さん。
コストが安い畳に圧されて「中継ぎ畳」の技術が継承されていかなくなることは残念なことです。
なかなか中継畳はお目にかかれる機会がありませんが、SOU・SOU茶室の畳も正真正銘、昔から日本にある藁床の畳。
しっかりとした弾力で、耐久性にも優れています。

足の痺れを見守るのは伝統的な技術を守る職人さんの叱咤激励なのかもしれませんね。

《つづく》

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それでは、また明日。

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【今日の合言葉】

「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」

・店舗でお会計時に、〔今日の合言葉〕を言って頂くと、1ポイント差し上げます。
(1日に1ポイントのみの進呈です)
・毎日変わりますので、ご注意ください。
・店舗のみのサービスとさせて頂きます。
あしからず御了承願います。

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4 件のコメント

  • 横で眺めていた旦那が「どうピンからキリなの?}と(^^;)
    足で感じる高級感、理解出来るかなぁ~(^v^)
    中間だけ(良い所だけ)使う、というのは聞いたことがありますね。
    家を建てるにもやっぱり和室(畳が有る部屋)が欲しいという方も。
    最近は掘りごたつ風?昔みたいにワイワイみんなでというのが無くなりつつありますからねぇ~・・。寂しい限り・・。
    あぁ~囲炉裏なんかもふと懐かしく思い出し・・(久しぶりの茶室彼是寺田さんで^v^)

  • よっ! R3.10.24 10:23:07
    • よっ!様
      いつも温かいコメントをいただきまして誠にありがとうございます。
      足で違いを感じられるか・・・私もちょっと怪しいですが。一度は踏み入れてみたい畳です!
      私の小さい頃もまだ和室で家族団欒という光景はよくありましたが、今はそんなにないのかもしれませんね。

  • SOU・SOUの茶室には日本の伝統がギューと凝縮されているんですね。関わってみえる職人の方々を思い浮かべると、胸が熱くなります。畳について考察することが今までありませんでした。無知の知を思い知らされながら、ホンモノに出会える場所、SOU・SOUのお茶室にお邪魔できる日がますます楽しみになっていきます。

  • はな R3.10.24 14:43:14
    • はな様
      いつも温かいコメントをいただきありがとうございます。
      お恥ずかしながら私も知らないことばかりですので、いつも父の話を耳にしながら、今度からはいろんなアンテナを張り巡らせて茶室を観察してみようと思っています。
      今後もSOU・SOU茶室の話にお付き合いいただけましたら幸いです!

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