一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【37】”
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
もうすぐ9月9日、重陽の節句です。
重陽の節句、あまり馴染みのない方もおられるのではないでしょうか。
【重陽の節句について豆知識】
この世のものは全て「陰」と「陽」で成り立っており、数字の奇数は「陽」を表しており縁起がいい数字だと考えられました。
中でも「9」は「陽」の気が最も極まった数字とされています。
つまり9月9日は「陽」の数字が2個「重」なった日で「重陽」となり、最も縁起が良くおめでたい日なのです。
数学的意味合いではなく文化的意味合いにおいても、「数」の考え方は様々ですね。
本日はそんな「数」に関するお話です。
前述の話にも「奇数」と言う言葉が登場しましたが、茶室にもきっちり奇数の場所があります。
それはこちら・・・
連子窓(れんじまど)の竹の数。
SOU・SOU茶室は全部で13本。
窓の大きさによって奇数になったり偶数になったりするのではないかと思いきや、これには奇数の理由があります。
茶室の歴史では電気がなかった時代の方がはるかに長いですね。
そんな時代の先人たちは、陰影の中の世界に美しさを感じたことだと思います。
障子紙を透けて時を刻む光、薄暗い中で蝋燭の火に揺れる光。
「陰」と「陽」まさに谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界。
そしてこの「影」を通してみたときに竹の格子が偶数では中心がなくなり、なんともバランスが悪い。
ここは奇数で中心を定め左右平等にするのが美しいとのことから奇数なのだそう。
ちなみに数は関係ありませんが、竹の節も同じ位置に横なら見にならないよう全てずらしてあります。
残念ながらSOU・SOU茶室は室内にあるため外光の影響を受けにくく、影にはなりづらいのですが奇数できちんと施工されています。
こちらは我が家の茶室の下地窓から。
どの時間帯も良いのですが、個人的には早朝の静けさの陰が美しく感じます。
「まあどう云う工合になるか、試しに電燈を消してみることだ」
(谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」より)
《つづく》
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それでは、また明日。
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2 件のコメント
素敵~、素晴らしい~\(^o^)/
本当に毎週、様々勉強に成り、学ばせていただいておりますm(_ _)m
茶室彼是、本当にありがたいです。
SOU・SOUを知り、茶の湯彼是を知り、日本の伝統文化、まだまだ色々教えてくださいね(^v^)
よっ!様
いつもコメントいただきまして誠にありがとうございます。
私もまだまだ勉強不足ではございますが、お付き合いいただけましたら幸いでございますございます。