一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【36】”
数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
SOU・SOU茶室の天井は、あれやこれや実はこだわりがギッシリ詰まっています。
何気ないことですが普通の天井と違うところ、お分かりでしょうか。
普通、天井は平で均一ですよね。
ですが、SOU・SOU茶室の天井には傾斜が付いています。
これは「掛け込み天井(かけこみてんじょう)」というもので茶室の天井によく使われる手法です。
この傾斜があることで素朴な景色を生み出し、より空間の雰囲気を演出する効果があります。
実はSOU・SOUの茶室は室内にあるため、配線やダクトと言った物質的なものをうまく避けさせ、尚且つ天井を低くさせないためにもなくてはならないものでした。
また、天井の方向性をご覧ください。
一定間隔に並んでいる竿縁(さおぶち)と言われる竹が床の間に向かって平行に配されています。
床の間に向かって直角に竿縁が向くことを「挿し床(さしどこ)」と言い、茶室の中で最も格の高い床の間に向かって竿縁が向くことが無礼とされ、また武士の時代には「挿(刺)す」と言うことを忌み嫌うような意味合いもあったそうです。
これは天井のみではなく、畳も同じで縁は床の間と平行に敷き並べられています。
父の話を聞いていて、なるほどなー!と思うことは多々ありますが、堅苦しく感じる決まりにも実は合理的な理由があったり、その反対に理由がありそうだけれど実は自由なこともたくさんあり、一括りに茶室と言っても棟梁の知識やセンスによって仕上がりが全く違うものになるのだということを感じます。
それぞれの意味を知れば、もっと親しみの持てる空間になるかも知れません。
《つづく》
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それでは、また明日。
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4 件のコメント
1枚目のお写真を見て、曲がってる?と(^^;)
それはそれで意味のある・・なのですね。
理由(わけ)が有って、そう成っている、であっても聞かないとわからないことだらけ。
寺田さんの茶室彼是で、へぇ~、ほぉぅ!と、毎週、本当に学ばせて頂いております。ありがとうございます。
これからも、まだまだ、色々、お願いします(SOU・SOUのお茶室、何度見ても良いなぁ~~と^^)。
よっ!様
いつもコメントいただきましてありがとうございます。
色々な研究や考え方があると思うのですが、私も聞かないと知らないことだらけなので父との茶室の会話を楽しんでいます。
(・・・すぐ忘れちゃうのですが。)
コロナ禍で、お茶会に参加できる機会は皆無となり、お稽古の回数や機会も制限されていますが、世の中が落ち着いたら、またお茶の時間を楽しみたいです。これまで、お点前や道具やお花と和菓子にばかり目がいきがちでしたが、「お茶室を楽しむ」新たな知る喜びを寺田さんに教えていただきました。毎週楽しみに拝読させていただいています。
はな様
コメントをいただきましてありがとうございます。
また、ありがたいお言葉までいただき恐縮に存じます。
拙い文章ではございますが、今しばらくお付き合いいただけましたら幸いです。
私はもっぱらお茶とお菓子に夢中ですが(笑)お稽古やお茶会も自由に楽しめるようになれるときが待ち遠しいですね!