一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【27】”
本日は日曜日、数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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本日は茶室工事から少し寄り道をして、茶室とは切り離せない「金物」をご紹介いたします。
ホームセンターに行けば果てしない数の釘やネジ、ハイテクな錠などの建築金物がありますが、茶室の金物は「和金物」と言われる少し特殊なもの。
特殊と言っても「今や特殊」なだけで元々は日本のものなので特殊というのも変ですね。
とある小さな金物店、そこは私と同世代ぐらいの若いご主人が1人で金物の商いをされています。
重要文化財の店構えからして代々金物で商いをされておられるのかと思いきや、自分で始められたとのこと。
しかも取り扱っている金物は和金物。
今では手に入らない昭和のデッドストックや江戸時代の骨董品のような金物が美しく陳列されています。
和金物は需要がないから市場には多く出回らないのかもしれません。
でもきっと探している人はいるし、探しきれず諦める人もいるはずです。
しかし、この店のご主人は「こんな金物を探している」と相談すれば次々と惜しげもなくぴったりな金物、むしろそれ以上の物を出してきてくれるのです。
その在庫や知識には驚きを隠せません。感動すら覚えます。
「有るものは有る、無いものは無いけど制作できるかも・・・」
もうどのメーカーも作らなくなった金物を制作したり、時には自分で手を加えたり、こんなものもあった方がいいと思えば開発したり。
とにかく金物への熱量は止まることなく、どれも興味深いお話ばかり。
不思議なことに、金物は昔のものの方が質が良いということ。
例えば襖(ふすま)の引手、技術も道具も進化しているはずなのに、昔作られたものの方が技術力が高く精巧に作られています。
さらにデザインも洗練されており今見ても心惹かれるものばかり。
ご主人の言葉をお借りすると
「いくら良い建具や襖紙(ふすまがみ)を使っても最後に取り付ける引手が安物では良いものにはなりません。やっぱり「格」が同じであってこその良い物なのです。金物は小さい物なので金物なんて・・・と思われがちですがそうではない。それが金物のチカラです。」
お話を伺っているうちに、なんとも言えない満たされた気持ちになり気がつけば3時間。
個人的にはとても良い商いをされていると尊敬の念を抱きましたが、その根底にはご主人の金物への愛が魅力的にさせているのだと感じました。
伝統的なものはあれもないこれもない!なんて言っていますが物も心意気も「ここに有る!」と叫びたくだなる出会いです。
和金物の話からは少し外れましたので、次回は茶室の金物のお話をしたいと思います。
《つづく》
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それでは、また明日。
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【今日の合言葉】
「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
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あしからず御了承願います。
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2 件のコメント
今日もお勉強タイム!
「昭和のデッドストック~金物は昔のものの方が質が良い~気がつけば3時間」
いやぁ~、眺めているだけで、楽しい時間・・ですよね。わかります!!!
「格」、ですね・・。
SOU・SOUに出会えたことで、日々、楽しい時間が\(^o^)/
コロナの影響では有りますが、逆にこれは善きこととして、感謝感謝ですm(_ _)m
よっ!様
いつも温かいコメントをいただきましてありがとうございます。
興味のあるものに触れる時間、楽しいですよね!
SOU・SOUがよっ!様にとってそんな時間になっておりましたら大変光栄に存じます。
ありがとうございます!
なにかと不便も多いですが、楽しみがある生活が良いですね!!