一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【25】”
本日は日曜日、数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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茶室工事が始まってからと言うもの、休みの度に作業場や現場に足を運び工事の様子を見守っていた・・・
と言えば聞こえはいいですが、何をするでもなく、ただ30分ほど作業を眺めて立ち去るというルーティン。
棟梁である父が陣頭指揮をとっていましたが、父が他の仕事で不在の際は兄が1人で黙々と作業をする現場も目にしていました。
今回はそんな兄の健闘をご紹介します。
兄が任されたのは床の間の天井。
何やら苦戦している様子は母を通して聞いてはいましたが、改めて当時の様子を尋ねてみました。
床の間の天井に用意したのは杉の板。
これを鉋(かんな)を使って削るのですが、
「薄い杉の板を鉋で削る」
どうやらこの作業に「技」が必要なようで、今ではこの技術を持つ職人さんが少ないそう。
ヤスリでは削るのは簡単だけれど、ヤスリで削ると木目がぼやける。
鉋で削ると経年変化で光沢と木目が立ってどんどん美しくなっていく、そのためには手で鉋を使って削らないといけない。
なるほど・・・
腕の見せ所というか、棟梁からも試されている大事な仕事だったのかと想像できます。
ここからは本人の口から出た言葉
「でも、薄い杉の板を削っていくとどんどんすり減っていって無くなるまでに仕上げないといけない焦りと、よりによって乾燥が進んだ特に削りにくい板。
なにより高価な板をダメにしたらとんでもないことになる!って分かってるから途中でホンマに泣きそうになったわ。」
▲削る前
▲仕上げ後
今では笑えるけれど、このプレッシャーはやった人にしかわからないものなのだと思います。
とにかく仕上がって良かった。
それにしても、床の間の天井は気にも留めないところかもしれませんが、実は職人の技が光る場所。
こんなエピソードを知るとじっくりと見たくなります。
そんな兄の足元にはひと仕事した足袋が少し誇らしげに見えました。
《つづく》
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それでは、また明日。
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2 件のコメント
すごいですねぇ~・・・。脱帽、圧巻!?
職人技、毎回に読ませていただき、本当にすごいなぁ~の一言に尽きます。
日曜の勉強?楽しみの一つですm(_ _)m
よっ!様
いつも温かいコメントをいただきまして誠にありがとうございます。
また、楽しみにしてくださっているとのこと、大変励みになります。
今後もお付き合いいただけましたら幸いです。