一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“茶室彼是(ちゃしつあれこれ)【17】”
本日は日曜日、数寄屋大工一家の箱入り娘&SOU・SOU傾衣の看板娘、寺田由のコーナーです!
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SOU・SOUの茶室は4畳半あるかないか。
とてもコンパクトな空間です。
その茶室のスペースとは別で必要なのが「水屋(みずや)」
水屋はお茶室のお勝手のような役割を持っています。
お客様から直接は見えないものの、スムーズにお点前ができるように道具を準備して整える大切なスペース。
今の時代は水屋がなくてもキッチンのような場所があれば、水屋は必要ないのでは?と思うところです。
様々な事情でキッチンなどで代用されることはあると思いますが、父は断固として水屋を置くことを薦めました。
備え付けとして造るスペースがなければ、「置き水屋」と言う方法もあります。
その名の通り、箪笥のような形で移動することのできる水屋。
必要な道具を置いておくこともでき、水瓶から水をすくって濯いだ水はタンスの引き出しの中に溜まるシステム。
父が水屋を薦める一番大きな理由は、SOU・SOU茶室がお茶のお稽古の場になると言うこと。
水屋での立ち居振る舞いも大切なお稽古。
そして茶道では「大切に道具を扱う」ことがとても重要な心持になります。
キッチンではシンクの位置が高い上、万が一、大事な道具が金属の蛇口などに当たってしまっては一大事。
大切に道具を扱うことも大切なお稽古の一環なのです。
最終的にSOU・SOU茶室の水屋は小さいながらも茶室の外にスペースを確保することができました。
現代は物がありふれているので、ついつい効率を先に考えてしまいましたが、昔は茶道具は「宝物」だったに違いありません。
そう考えると水屋の存在や扱いは当然の成り行きとなるわけですね。
あることが当然だと思っていましたが、新しい「なるほど」と思う発見でした。
《つづく》
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それでは、また明日。
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今日の合言葉は 「茶室彼是(ちゃしつあれこれ)」
2 件のコメント
”新しい「なるほど」と思う発見でした。”ん~~・・。
年を取ったとは思わないのですが、何故か昭和の頃?あの時代が良かったと感じてしまうのは・・・。
物も文化も変わって行くのでしょうけれど、あれが良かったなぁ~・・というものが沢山(vv)。。。
まぁ~思っている内に自分も昔の人に成っちゃうんだろうなぁ~~(^^;)
よっ!様
いつもコメントいただきありがとうございます。
今の時代の良いところも日々感じているはずなのに、私も昔が良かったなーと思うことございます!
考え方も変わっていくようにお茶のような昔から続いているものも、きっとそうやって時代を乗り越えて続いていることなのだなーと感じます。
少しロマンチックでもありますね!