一日一駄話 / SOU・SOUプロデューサー若林剛之によるたわいもない事
“第十六話/帰国”
年が明けて2月頃だったか、日本に戻った。
僕が現地で買い付けたものは、自宅の3部屋と庭をパンパンにした。
両親はビックリしていた。
本当は東京でお店をやりたかったが、
当時はバブル崩壊後とはいえ家賃が高く手が出なかったので、地元京都でお店をやることにした。
四条木屋町にあった7坪弱の空きテナントを見つけ、家賃24万円を13万円に値切って借りることになった。
このテナントは、以前は世界の下着「ワールドランジェリーショップ」だったらしい。
上の階にはキャパクラとゲイバーが入っていた。
お店にドアはなく、シャッターを開けたらすぐ店という八百屋みたいなテナントだった。
ストアデポでポール、ハンガー、レジを買って、ホームセンターで電球を買って、自分でお店を作った。
1994年3月10日にその店はオープンした。
店名は「GASP」。看板はなかったのでダンボールにペンキで手書きした。
ダンボールの看板は雨に弱く、風で飛んでいった。
商品の値付け方法がわからず、テキトーに自分で付けた。
初めて名刺を自分で作った。100枚で1万円くらいした。1枚100円と思うと、気軽にあげられないなと思った。
休業日、営業時間は日によってバラバラだった。
近所の店の人から「営業時間は決めた方がいいよ。お客さんがとまどってるよ」とアドバイスをもらった。
なるべく昼頃にはOPENするように心がけた。
この頃すでにチャカさん(現東京店マネージャー)にもいろいろ手伝ってもらっていた。
チャカさんはお嬢様育ちだから、僕の買い付けるやんちゃな服は少し抵抗があったと思うが、
なんとか馴染んでいったようだ。
ガレージセールのようなお店は口コミで広がって、
その年の12月には1000万円を越える売上げを記録した。
(次回に続く)
それでは、また明日。
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今日の合言葉は 「SOU・SOUへの道/第十六話」
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