SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“御祖父さんの古カセットテープ”
そろそろ
古典に手をつけようか?と思っていたら
面白いモンを家で見つけました。
祖父さんの遺品で
和紙に金箔文字の何やら物々しい装丁のカセットテープ。
テープのタイトルは「水滸伝」。どうやら内容は詩吟らしい。
発売日の刻印は昭和20年。
兎に角、聞いてみるとこれが凄かったんです。
ある種、現代人からすると異質の矜持ってやつで
寸分の隙も無く全編が覆われています。
名人の語り口はスカしてない江戸弁が格好よく
そこらの似非ギャングスタラップより、よっぽど迫力があります。
合いの手と三味線も頭の線が2、3本切れてるかのよう。(いい意味で)
どれをとっても尋常じゃない緊張感です。
無駄な混ぜ物がない分、純度が高い。
これを娯楽として自然に楽しんでいた当時の文化レベルって凄いですね。
聞く側が古い=ダサいの先入観を取り外せれば解る世界。
本物は理解するのにも多少時間を要しますが
耳に入って来てから残る度合いも違います。
ちなみに車で聞いてみましたが
街の風景との馴染みはハッキリ言って悪いです(笑)
バックグラウンドミュージックとしては不向きな音楽ですが
その微妙な浮き加減や時代間の時差を注視すると
発見があって面白かったりもします。
ヤマサキ