本間と古川の染織倶楽部 /
“第十四話:『泥染め』について”
今回の染織倶楽部は、『泥染め』についてお届けいたします。
「泥染め」とは土から採取される成分を用いる染色技法です。
土の中には有機物や枯れた植物、植物が生きるために必要な栄養素など
様々な物が含まれています。
通常の染色方法とは異なり熱湯で煮炊きしたり媒染液を使用しないので、
人にも地球にも優しい「天然染料」のひとつです。
「泥染め」と聞くと茶やグレーの渋い色味を想像してしまいますが
土の色、含まれる成分によって発色もちがってくるのだとか。
SOU・SOUでは土に含まれる鉄分「べんがら」を用いた、ナカジマ株式会社による
「べんがら泥染め」をほどこした商品を取り扱っております。
上■もじり袖 短衣 単(たんい ひとえ)/海松茶(みるちゃ)×間がさね
下■風靡下 作務/海松茶(みるちゃ)×間がさね
この製品は一旦化学染料でベージュに染めた後にベンガラ染めをし味を出しておりますので、
全てが天然染料の色合いで出している訳ではございません。
泥染めは、奄美大島の大島紬によく用いられる技法です。
近頃はTシャツなど身近な衣類にも使用されています。
また、時間が経っても色褪せが少ないのも特徴のひとつでございます。
子供が泥んこの中で遊んだ後の汚れは落ちにくい、なんて経験をしたことのある
お母さんも多いのではないでしょうか。
泥染めの色は大地の色、とも言われているそう。
場所によって発色が違うので、色との出会いは一期一会です。
それぞれの地域や場所にる色の差に注目してみるのも、
泥染めの楽しみ方のひとつかもしれません。
2 件のコメント
泥染めがTシャツにまで使われているとは!
大島紬のイメージだったので、認識が変わりました。
今後もいろんなネタを発信して下さい。期待しています。
前田様
コメントいただき、ありがとうございます。
天然染料は染める生地によって高級なイメージから身近な衣類にまで幅広く使える面が魅力だと思います。
コアな話題をご所望とのことでしたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
是非今後共お付き合いの程、よろしくお願いいたします。