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平成20年06月21日 土曜日号

SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記

“色の名前”

SOU・SOUの商品についている色の名前、
変わってるな? と思っている方も多いのではないでしょうか。
振り仮名なしには読めないことも多いこの色名、
実は日本の伝統色から付けられています。
由来を知るとなかなか面白いので、ここで少しご紹介したいと思います。

 憲法色(けんぽういろ)
 江戸初期の兵法師範、吉岡流剣法の祖・吉岡憲法が



考案した染で、茶みのある黒色をいう。
 利休鼠(りきゅうねず)
 茶人の千利休好みの洗練された色調としてこの色名が



ある。茶道では葉茶の色を利休と呼んでいて、



「利休鼠」は緑みの灰色系をいう。
 芝翫茶(しかんちゃ)
 江戸後期、大阪で人気のあった歌舞伎役者、三世中村



歌右衛門(俳名:芝翫)が好んで用いた茶色で、



やわらかい赤みがかかった茶色をいう。
 千歳茶(せんざいちゃ)
 江戸時代の染色の色名で、暗くくすんだオリーブ色を



いう。江戸の流行色として、婦人の羽織などに



よく用いられたほか、男子の木綿にも使われた。
 猩々緋(しょうじょうひ)
 鮮やかな濃い深紅色をいう。能の『猩猩』では猩猩(



猿に似た伝説上の霊獣)が赤毛装束をつけて



登場するが、その赤毛、赤面、赤装束からの連想で



つけられた色名である。
 深川鼠(ふかがわねず)
 江戸時代に江戸・深川の木場のいなせな若衆や、



芸妓連が着はじめたところからこの色名がある。



「粋」は、幕府の禁制に対しての諦めや抵抗を経験した



江戸町人にして、はじめて到達した美意識である。
人の名前が色名になるなんて、今では考えられないですよね。
見ていると茶や鼠のように地味な色が多く感じますが、
それにはちゃんと理由がありました。
江戸時代、富める町人たちは幕府の奢侈(しゃし)禁止令(贅沢を禁止して倹約を推奨する法令)を受けて、茶や黒、鼠などの地味な色合いの縞や格子、小紋染の着物を着るようになり、その微妙な色相の変化を楽しんだのだそうです。
その数は俗に「四十八茶百鼠」と呼ばれ、茶色は四十八、鼠は百もの色があったのだとか。
皆様も気になる色名があったら、ぜひ調べてみて下さい。
参考文献 : 『日本の伝統色』 ピエ・ブックス
(北岡)

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