SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“献上帯のひみつ/山本 聖美”
そろそろ梅雨もあけるころ、、、
夏のイベントが盛りだくさんでわくわくする日がつづいています!
この日はたくさんの人で賑わう京都の熱い夜。
普段は歩けない四条通の車道から祇園祭に繰り出しました。
さて、突然ですが!浴衣のコーディネートに欠かせないものといえば・・・
そう!それは博多献上帯(はかたけんじょうおび)です!
絹地がキュッっと締まって着崩れしにくいお気に入りの帯です。
博多の伝統工芸品だということをご存知でしょうか?
ということで、本日はこちらの博多献上帯についてお送りいたします。
博多献上帯ってなんでしょう?
遡ること770年以上前の鎌倉時代。
博多織の原点となる織物を中国・宋から持ち帰った満田弥三右衛門(みつだやざえもん)さんが
こちらの博多献上帯こと【独鈷花皿文様(どっこはなざらもんよう)】を考案されたことが始まりとされています。
上から、中子持縞(なかこもちじま)、華皿(はなざら)、両子持縞(りょうこもちじま)、独鈷(どっこ)。
見慣れない名前が続きますが、それぞれの図案の意味を紐解いていきます!
まずこちらが、
仏の供養をするときに花を散布するための器「華皿(はなざら)」と、
護身用の武器であり、煩悩を打ち砕き菩薩心を表すための密教法具「独鈷(どっこ)」です。
普段ではあまり目に触れない仏具ですが
図案化することで【魔除けや厄除け】の願いが込めらています。
満田弥三右衛門さんが聖一国師(しょういちこくし)さん(のちに京都の東福寺を開山される僧)の助言を受け、
一説では、独鈷をえんぴつのように転がした跡を図案化し、華皿も唐草柄を織物で表現できるよう単純化して完成したとのこと。
実物をみるとかなり簡略化されたものだということがわかります。
そして、
「親」を表す太い線の間に「子」を表す細い線があり、親が子を包み込み守っている様子を表している「中子持縞(なかこもちじま)」と、
中子持縞と逆の配置で、親から子へ広がっていく様子を表している「両子持縞(りょうこもちじま)」です。
【家内安全や子孫繁栄】を意味しています。
以上の4つモチーフが揃い、それぞれの深い意味が込められた【独鈷花皿文様】は【厄を払い身を清める護身の柄】といわれています。
そして時代は過ぎて、江戸時代にさしかかるころ。
越前から幕府の献上品として博多織が選ばれたそうです。
それが元で【独鈷花皿文様】の博多帯は「博多献上(はかたけんじょう)」または「献上(けんじょう)」と呼ばれるようになりました。
770年以上も前から図案は全く変わらず、現代まで受け継がれている【独鈷花皿文様】。
【博多献上】と呼ばれるずっと前からこのデザインは完成していたということになります。
SOU・SOU流にアレンジしたのが新献上帯
博多献上柄に込められた願いを理解したところで、SOU・SOUの新献上帯ご紹介いたします。
「華皿(はなざら)」と「独鈷(どっこ)」はSOU・SOU流に図案化し、
両子持縞・中子持縞、そして水玉を配して新献上柄としてデザインいたしました。
そして裏面には・・・
元祖献上柄が現れます!
表裏どちらでも締めていただけますので、現代と元祖のデザインを気分によって使い分けてくださいませ。
コーディネートの幅を広げてくれるのでとってもおすすめでございます!
最古の織元・西村織物さん
こちらの新献上帯のを織っていただいているのは、
創業文久元年(1861年)、博多織としては現存する最古の織元の西村織物さんです。
▲六代目 社長の西村 聡一郎さん
西村さんに教えていただいた博多織の豆知識ですが、
落語界では真打に昇進すると西村織物の帯を締めて、高座にあがられるそうです。
そして、相撲界では十両以上にあがることができてやっと博多織を締めることが許されているとのこと。
格式高いことが伺えるエピソードです。
歴史ある織元さんですが現代に寄り添ったものづくりも積極的にされています。
(西村織物さんのネットショップではSOU・SOUとのコラボアイテムも販売中です。)
令和の時代もますます邁進していかれる西村織物さん。
これからも是非ご注目くださいませ!
(山本 聖)
3 件のコメント
いつ見ても素敵な着こなしですね!
昨晩、なぜか山本さんが私の夢に出演され、sou・souにいつ出会ったかなどの会話がはずんでいました・・・。(^_^;)
浴衣も今年は着たい!と思って数年が経っております・・・。
今年はもう間に合わないかもしれないので、来年こそは・・・!(笑)
ピュレ様
この度は、嬉しいお言葉とコメントをいただきましてありがとうございます。
また、夢にも出演させていただけまして大変光栄に思います^^
(どんなお話だったのかとっても気になります!)
浴衣、まだ今でしたら間に合います^^
お気に入りの浴衣に新献上帯をキュッとしめてお出かけすると
夏の風物詩を鮮やかに彩ってくれるのでおすすめでございます!
博多織の銀鼠のんが欲しいです