SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“【SOU・SOU日記】”
汁椀づくり
急に秋らしくなってきましたね。
こうなると温かーい汁物が恋しくなります。
ところが、なぜか我が家には汁椀が一つしかない…。
これまではご飯茶碗や抹茶茶碗で代用してきたのですが、
やはり熱々の汁物には向かず…
意を決して輪島塗を勉強中の友人に製作を依頼しました。
まずはあちこちで様々なお椀を見てまわり、
好みの形や塗りのイメージを伝えました。
そうして届いたのが写真の木地(漆を塗る前の地肌のままの器物)。
夫婦椀というのでしょうか。サイズ違いで二つ作ってくれました。
当初はサイズを変える予定はなかったのですが、
持ってみると、確かにしっくりするサイズは二人とも違い、
提案どおりサイズ違いでお願いすることに。
今回はこれに溜(ため)塗りをする予定。
溜塗りとは、まず下に朱色を塗っておき、
その上に半透明の透(すき)漆を塗って仕上げるという手法です。
一見黒っぽく見えますが、
よく見ると下の朱が透けているため、とても複雑な色になります。
また溜塗りの面白いのは、使うほどに朱が増してくるということ。
それは透漆の透明度が徐々にあがってくるからだそうです。
使うほどに変化する、まるで伊勢木綿のようですね。
自然素材の特徴でしょうか。
劣化ではなく、風合いが増す。こういう変化はいいですね。
仕上がりが待ち遠しい今日この頃です。
(北岡)