SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“ぶらり金沢ひとり旅/中村 奈緒子”
ついこのあいだまでの暑さもやわらぎ、過ごしやすくなってきました。
こんな季節には、どこか少し遠くへ出かけてみたくなりませんか。
先週、一泊二日で金沢へひとり旅に出かけました。
第一の目的は、金沢21世紀美術館で開催されている企画展を見ることです。
展示室に入った瞬間、圧倒されました。
色とりどりに光り輝く不思議なかたちのランプの数々。。
しかもこのランプは、廃品のプラスティックからできているというからなおさら驚かされます。
作者のヨーガン レールさんは、自身の暮らす沖縄の海辺に流れ着く大量のプラスティック製品の
ゴミに心を痛め、その現実を多くの人に知ってもらうために、プラスティックのゴミから
この美しい照明を作り出しました。
なんとも複雑な気持ちになりましたが、アートの神髄を見た気がしました。
二日目は、金沢の街をぶらぶら。
長町武家屋跡の和菓子屋さんで、池を泳ぐ鯉を眺めながら、お抹茶とお菓子をいただいたり、
ひがし茶屋街や主計町などの、古い茶屋建築の残る町並みを散策したり、
金沢三文豪のうち泉鏡花と室生犀星の記念館をまわったりしました。
ふるさとは 遠きにありて思うもの そして悲しくうたふもの
ちなみに、室生犀星の有名なこの詩ですが、故郷から遠くはなれた東京で望郷の想いを歌ったものではなく、
金沢に帰ったけれど受け入れてもらえず、辛い思いを抱きつつ故郷を去ろうとするときの心情を詠んだものだそうです。
間違えた解釈をしていましたが、それでも心にしみるいい言葉だなあと思います。
久しぶりの気ままなひとり旅は、おいしいものを食べ、文化にも触れた充実した旅となりました。