そのひと、そのもの / SOU・SOUスタッフ60人のストーリーのある愛用品を紹介
“ワセリンがモノをいう”
▲「世の中には、二種類のスキンケアしかない。ワセリンか、ワセリン以外か。」
開店五分前の傾衣。
箪笥から愛用品を取り出す徳治さん。
いかにも軟膏用っぽいプラスチックの白い容器に、青いフタ。
くるりと丸めたフォントで商品名を書く
「白色ワセリン」。
成分は「日局白色ワセリン」のみ、極シンプル。
というよりはむしろ、
成分そのものは商品になっている。
――「ワセリンって何ですか。」
「100%石油由来の万能保湿剤や。」
――どのように使いますか?
「そのままをうすく塗る。髪から指先まで。最強のスキンケアやねん。」
石油でスキンケア、驚きました。
ドラッグストアなどで、400円弱でゲットできる白色ワセリン。
無色無味無臭で、
効能は「手足のヒビ、アカギレ、皮ふのあれ」。
ワセリン自体に薬効はなく、
油で肌に膜を作って、外部からの刺激をブロックする。
そうして肌の自然治癒力を高めるのに役立つ。
つまり、人間本来の治癒力を引き出すものと考えられる。
原材料レベルのスキンケア、
何だかかっこよく思えてきた。
このちょっぴり地味なプラスチック容器も
魅力的に見えてきた。
薬効無き万能薬。
これが
薬の理想の姿かもしれませんね。
(しょうしょう)