SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“読書の秋を彩る/小森 ふたば”
読書の秋ですね。
仕事を始めてから電車に乗る時間が長くなったため、以前より本を読むことも増えました。
入社してすぐに購入した色は匂へどの書衣がお気に入りでずっと使っているのですが、いくつあっても困らないブックカバー。お気に入りの柄で作ってみました。
大好きなかぼちゃ、今月の新柄栗ひろい、そして格子柄と色合いがステキな伊勢木綿の伝統柄を使用しました。
一気に秋めいて持ち歩くのもワクワクします。
手ぬぐいを使用すれば縫わずに作ることも出来ますが、今回は久しぶりにミシンを使いまっすぐ縫いをしてみました。
そして手作り書衣の中には最近読んだお気に入りの三冊が・・・。
SOU・SOUブログの読書ネタ(「私の好きな一冊」、「私の好きな六冊」、「めがねと本とアンニュイな秋」など)を読むのが好きなので、恐れ多いですが私もご紹介させていただきます。
『夏子の冒険』 三島由紀夫
天真爛漫なお嬢さん・夏子が北海道を舞台に周りの人々を巻き込んでひと夏の冒険を繰り広げます。これまで抱いていた三島由紀夫のイメージから少し外れ、ポップでキュートで最後には思わずにやり。
野生の熊が登場するシーンがあるのですが、動物園で熊を間近で見た数日後に読んだため風貌や臭いが鮮明に蘇りやけに臨場感がありました。登場人物がみな生き生きとしていて楽しいです。
『蝶々の纏足・風葬の教室』 山田詠美
こちらは漫画家のはるな檸檬さんが自身の読書歴を語るエッセイ『れもん、よむもん!』内で、高校時代に出会い衝撃を受けた本のひとつとして紹介されており、気になって手にとった一冊です。
少女時代を描く3つの短編が収録されているのですが、中でも表題作「蝶々の纏足」と「風葬の教室」がとても好きです。
「蝶々の纏足」は最後のある台詞で話全体が一気に違う色に染まっていく感じがあり、圧倒されて読了後はしばらく放心してしまいました。
『阿修羅のごとく』 向田邦子原作
こちらは向田邦子原作の脚本を文庫化したものです。
還暦超えた父親の不倫の発覚からはじまる四姉妹と周りの人々のてんやわんや。ドラマの脚本のためテンポよく次から次へと問題や諍いが起こり、最後の数ページまで「これほんまに終わるんかいな」とひやひや致しました。向田さんの描く女性は恐ろしさと優しさを併せ持っていて魅力的です。
以上、お付き合いいただきありがとうございました。
秋の夜長、お気に入りの柄で彩られた本たちを読み耽りたいと思います。