SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“ようこそ我が家へ/寺田 由”
SOU・SOUではスタッフがそれぞれお茶のお稽古に通っており、私も月に2回のお稽古を楽しみにしています。
以前、一日一駄話でも紹介されましたが、私の実家は数寄屋建築業を営んでおります。
「数寄屋」という言葉にピンと来ない方も多いかと思います。
数寄屋建築は「茶室」を扱う建築です。
残念ながら、公共施設以外の「茶室」は特別なプライベート空間であることが多く、
直接、その空間を体感できる機会は少ないのではないかと思います。
我が家の茶室「心傅庵(しんでんあん)」は祖父が昭和50年に建てたものです。
約40年の歳月が過ぎ、経年劣化による土壁や木材の変化に趣が増してきたように感じます。
茶室の中でも「小間(こま)」は天井が低く照明器具もないため、
私は小さい頃から秘密基地のようで大好きでした。
さて、その「小間」の天井をご覧くださいませ。
どこか見覚えのある素材・・・
そう、これは・・・おむすびなどを包む「竹皮」。
通常、「へぎ」という木を編み込んでつくる「網代天井(あじろてんじょう)」と言われる天井ですが、
我が家の小間はなぜか竹の皮。
お金がなかったのか・・・
それとも遊び心か・・・
祖父が亡くなった今となっては真相はわかりません。
しかし、お茶室に明確な決まりはありません。
意外だと思われるかもしれませんが、最低限の条件を満たしていれば、
後は施主のこだわりや遊び心などが散りばめられた「夢の空間」なのです。
ですので、竹皮の天井も「遊び心説」が有力なのではないかと思っています。
まだまだ語り足りない「数寄屋」や「茶室」の魅力。
この小さい空間には昔の人の知恵と技がギュッと詰まっており
「詫び寂び」といわれる日本の美意識が存在するのではないでしょうか。
今までにもSOU・SOUスッタッフが家庭訪問に来たこともありますが、
もっとたくさんの人が集い、空間を五感で感じながら楽しめる『茶室』にするのが我が家の夢です。
2 件のコメント
お茶席、ステキですね。
新しいものより年を経て出る良さ、趣?
1月10日の一日一駄話ではないですが、継承、残してしていく難しさ、壊すことは簡単ですけどねぇ~・・。
よっ!さま
コメントをいただき、誠にありがとうございます。
新しいものを作るワクワクもありますが、古いものを大切にする日本の文化も続けば良いなと思うことの一つです!
これからも大切にしたいと思います。(寺田)