SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“故郷の10のあか/李 瀟瀟”
重なる慶びと書いて「重慶」、
私の生まれ育った町。
この間の春節に里帰りしました。
街を歩いていると、日本では見ることのできない独特の配色をよく目にします。
そう、あか、アカ、赤。
中国といえば赤、赤といえば中国。
というくらい、赤は馴染みが深い中国色です。
しかし私にとって、赤が色ではなく、赤いと感じる感受性があります。
日常で接する道具や食べ物、記憶の束から引き抜いたもの、
帰省中で感じていた「あか」を列挙してまいります。
10.朝食
幼い頃から、
「遅刻してもいいから、朝ご飯をちゃんと食べなさい」
と両親に言われて育ちました。
外食文化が発達している重慶、
薄明の頃、一歩街に出れば、朝ご飯屋さんずら〜り。
代表選手である豆漿、油條(揚げパン)、肉まん。。。
蒸気に誘われ、伝統的な朝食をテイクアウト。
リビングのガラステーブルを囲んで、家族そろって食べるんですよ。
思い出の「あかい」朝、
大人になって家を離れて、何度も夢に出てきています。
09.看板
看板や案内板の色、日本の一般的な「白地に黒文字」と違って、
「赤」を縁起の良い色とする中国では「白地に赤」です。
赤やオレンジ色の制服を着た掃除員たちが、
手に手にほうき・ちりとりセットを持って、まち美化大作戦‼︎
08.「担担」
「担担(たんたん)」は重慶の方言で天秤棒を意味します。
元来、天秤棒に道具をぶら提げ、担いで売り歩いた麺料理は「タンタン麺」。
重慶では今でも「担担」を使って商売する人が多く、
こちらは「タンタンみかん」と呼びましょう。
07.広場
重慶人民大会堂。
北京天壇の祈念殿をモチーフに、1954年に造られた巨大な建物です。
旧暦の小正月のこの日。
賑やかな「春節アカ」が広場に満ちています。
06.鳥瞰図
重慶の別名は「山城」。
丘陵地帯にたくさんの高層ビルが建ち、建物をぬって道路が通り、
階段やスロープが網の目のように張り巡らされています。
山城の中心部は長江とその支流である嘉陵江の合流点に位置します。
その合流するところに船首の様に突き出ているエリアがあり、
帆の形を意識する350メートルのビル2棟建設中。
山城染める赤のライトアップでもするのでしょうか。
05.空中バス
赤色一色に塗られているロープウェイに乗り込んで、中国最大の川を渡ります。
かなり老朽化している「長江索道」、定員は28名と書いてありますが、
ギュウギュウで50人ぐらい乗っていました。
グイーンと高層マンションの間を抜けていき、あっという間に長江の上まで来ました。
途中で向こうからやって来る搬機とすれ違い、あれ?!
同じ高さに並行して作られているのに、
どうして向こうは上位置だったのでしょうか。
こちら側の乗客が多くて重かったからなのでしょうね。きっと・・・
04.あの油屋
嘉陵江の崖に建つ立っている「洪崖洞」。
川面が夕日を反射し、全体に明かりが灯されてくると俄然雰囲気が出てきます。
台湾の九フンの夜景を思い出したり、千と千尋の油屋と重なりました。
03.毎日屋台
屋台の串焼き。
やはり辛い!でも、口をビリビリと刺激するようなトゲトゲしさはなく
どこか味に丸みを感じさせる刺激でした。。
支払い方法はスマホ決済のみ、
「現金でいいですか」と一々尋ねないといけない時代ですね。
02.お年玉袋
赤をあしらった祝儀袋、「紅包」という。
実はお年玉もキャッシュレスになり、
この伝統的なデザインの赤色祝儀袋もいつか消えてしまいますかね。。。
01.橋
5層構造の「立体交差橋」などのユニークな建造物で有名な重慶。
川に架けられた橋は41本、「橋都」とも呼ばれています。
春霞の遠くに奥深く、空飛ぶ竜かと浮かんで見えるアーチ橋。
見事に真っ赤っか!
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」
重慶の10のアカに包まれ、赤いという感受性を身につけた時、
また、新しい自分らしさが見えてきます。
1 件のコメント
ニーハオ!旧正月は、お国に戻られていたのですね。画像からは、人々の活気、熱気が伝わってきます。そして、何よりも嬉しいのは、モウモウとした湯気から美味しそうな匂いが立ちこめて、見ているだけで、お腹の虫が暴れ出しています。
担々は、天秤棒という意味だったのですね。江戸時代の棒手振が頭をよぎり、当時は担々○○と称する人たちが数多くいた…そう思うと、楽しい気分になります。
四川省は、辛いもので有名ですが、丸味のある刺激とあり、辛いものが苦手な私も、チャレンジしたくなってきました。
衣食住の伝統を大事にされているのに、支払いは「スマホ決済」…このギャップは、実に面白いです。これも、中国らしさなのでしょうか。