SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“『俳句歳時記 春』/橋本 真紀”
こんな本が出ました!
『俳句歳時記 春 第五版』角川書店編 文庫/B6サイズ(大活字版)
10年ぶりの改訂新版だそうです。
内容を一新するにあたり、SOU・SOUのテキスタイルデザインを装丁に取り入れたいとご依頼がありました。
日本の四季や風情をポップに表現したSOU・SOUのテキスタイルデザインが『俳句歳時記』の表紙を飾る、ばっちりピッタリな企画。
どのテキスタイルデザインにするか幾つか候補を出して、最終的に春の柄として選ばれたのが「花椿」。
べっぴんさんに仕上がりました。本屋さんでもきっと目立ってくれるはず。
『俳句歳時記』では全1965語の季語が【時候】【天文】【地理】【生活】【行事】【動物】【植物】と7つのカテゴリーに分けて収録されており、その意味と例句が掲載されています。
中でも特におもしろかったのが【生活】のカテゴリー。幾つかご紹介してみたいと思います。
■ 春ショール
<意味>
春なお寒い時に用いる肩掛け。防寒を旨とした冬のものと異なり、おしゃれを楽しむための美しい色、そして素材の豊富さが特徴である。
<例句>
花を買ふごとくに春のショール撰る 佐野美智
春ショールが季語だなんて洒落ている!花を買うように選ぶ・・・という表現も素敵です。
■ 花疲れ
<意味>
人出や陽気のせいか、花見は疲れやすい。美しいものを見た余韻とともに疲労が押し寄せてくる。その疲れに浸ることも花時の趣の一つである。
<例句>
川を見て坐れる母や花疲れ 北澤瑞史
これはまさに「お花見あるある」。母と一緒に賀茂川の桜を見に行った時、咲き乱れる桜の花にちょっと酔ってしまったようで、一緒に河川敷でぼーっとした思い出があります。
■ 春の風邪
<意味>
春になって油断すると風邪を引いてしまう。冬季の風邪のようにひどくなることは少ないが、長引きやすい。
<例句>
春の風邪小さな鍋を使ひけり 井上弘美
まさに先日まで若林が苦しんでいたやつ。。。思いの外、長引いたようです。この時期風邪を患っている方、多いですよね。「小さな鍋」とあるのは、お粥さんでも作ったのしら・・・とぼんやり情景が浮かびました。
本書の序文に、こうありました。
「季語には、日本文化のエッセンスが詰まっている。俳句がたった十七音で大きな世界を詠むことができるのは、背後にある日本文化全般が季語という装置によって呼び起こされるからである。─」
日本文化の素晴らしさ、日本人の感性の豊かさを改めて感じる件です。
日本の四季や年中行事、日本語の妙を知ることが出来る一冊。是非、書店にてご覧いただければと思います。
さて、このシリーズ。春夏秋冬に加えて新年と、年内にあと4種類発刊される予定なのですが・・・
皆様なら、どのテキスタイルデザインをあてはめられますでしょうか?
また折を見て『正解』をアップしていきたいと思います!
2 件のコメント
これはとても素敵な企画ですね。
短歌詠みですが俳句は恐れ多く、でも、この歳時記だと挑戦したくなります。
まずは刊行され次第そろえていこうっと。
装丁、わくわくです。
ゆうこ様
コメントありがとうございます。
私も歌を詠むところまでは辿り着けそうにないのですが、掲載されている季語とその説明・例句を見ているだけでも十分楽しいし、知識も増えるなぁと思っています。
装丁に使われる柄、是非予想してみてくださいね。
「夏」版は5月初旬には刊行される予定です。