SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“縫代(ぬいしろ)について/山本 陽平”
今回は製品の裏側 [縫代(ぬいしろ)] について書かせて頂きます。
一般的な衣類は幾つかのパーツに分かれており、
それをつなぎ合わせて立体の形状に作り上げます。
下図のピンク色の部分が[縫代(パーツとパーツを縫い合わせる部分]にあたります。
[縫代]は基本的に服を裏返さないと見えない部分ですが、SOU・SOUでは生地や形状によって色々と縫い方を変えております。
代表的なものをいくつかご紹介させて頂きます。
○[ステッチ+ロックの場合]
一般的に良く見られる縫い方です。
布帛(織地を使った)製品に見られます。
ステッチをかけた後、ロックをすることで2重の補強となり、より強度のある製品になります。
対象アイテム:[伯爵羽織 宮中袖] 、[みたて衣] などの布帛製品
○[オーバーロックの場合]
こちらも一般的に良く見られる縫い方です。
ジバン類など、ニット製品の場合に使用しております。
この縫い方は、ステッチ部分が生地と一緒に伸び縮みしてくれるので、ニット仕様のものに向いています。
対象アイテム:主にインナー系ジバン製品
○[生地耳をそのまま使用する場合]
生地耳(布生地の両端部)をそのまま縫代にしています。
一般的な使用例で言うと、デニムパンツなどの赤耳が御座いますが、
SOU・SOUでは、小巾を活かした縫い方をしている商品に見られます。
対象アイテム:[伊勢木綿衣類] /[知多木綿衣類]など
○[裁ち切りの場合]
こちらはあえて裁ち切りのままにする事で、雰囲気を出しております。
表に縫代が出るアイテムなどで使用し、デザインのポイントにしています。
対象アイテム:[秋声]/[貫頭衣]製品などの秋冬アイテム
○[メローロックの場合]
SOU・SOUでは[裏面も綺麗に見えるように]を意識して衣類を作っているため、
生地の特徴や製品の仕様に合わせていろいろ縫代の処理を変えております。
メローロックは表に出してもきれいに見えるため、あえて袖口や首周りなどでも使用しております。
対象アイテム:[貫頭衣系の袖周り]/[小袖ジバン・袖なしジバンの首周り]/[裏地のない布帛製品]など
如何でしょうか。
もしご興味のある方は、お手元の製品がどんな縫代になっているのかご覧頂ければ幸いです。