SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“写真製版の現場へ/山本 聖美”
textile name “おもかげ”
この柄は優しいボカシ表現が特徴で、なんだか他のテキスタイルとはプリントの雰囲気が違うんちゃうかな?
と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
他にも仲間がいまして、
“花畑” “しんしん” “祇園祭”・・・などがございます。
アップで・・・
ちょっとひと味違うこちらのテキスタイル達は
『写真製版(しゃしんせいはん)』
という手捺染の中でも特殊な方法を用いた染めを施しております。
その染めをしてくださっているのは、京都・九条にある八幡染色様。
創業1939年の歴史ある染色工場です。
山口社長がお出迎えしてくださいました。
“菊づくし”を染めてくださっているのは、職人の山下さん。
丁度三色目の染めに取り掛かっておられます。
“菊づくし”は通常の手捺染の方法で染められています。
(1)赤(2)藤色(3)ピンク(4)青紫で製版し分けた4枚の版を使用し、職人さんの手で一色ずつ丁寧に染め上げられていきます。
変わって、写真製版の現場へ。“絵具皿”を染めるところを見せて頂きました。
1枚目の版と黄色の染料がスタンバイされ、職人さんが一掻き・・・
版を外すと、、、
きれいな黄色のみの“絵具皿”!
続きまして2枚目の版に青色の染料がセットされ、
黄色の上に重ねて染められると、、、
なんということでしょう!
黄色と青が生地の上で重なり合って、黄色~緑~青のグラデーションが出現しました。
美しい光景にうっとりです。
続きまして3枚目の版と赤色の染料の登場。
色数がどんどん増えて、まるで魔法のよう。
最後に4枚目の版で黒色を染め上げて、
美しい“絵具皿”の完成です。
と、ザーッと駆け足で工程の写真をご紹介しましたが、
写真製版とは、赤・青・黄・黒の4色の掛け合わせ(重なり)で表現する染色方法でございます。
↑“絵具皿”に使用された4色の染料
例えば、“絵具皿”を通常の手捺染で表現しようとすると
色数が多すぎるため版の枚数は少なくとも15枚以上は必要になってきます。
ところが、染め濃度を絶妙に調節して製版した4版、4色のみ使用して多色表現を実現する。
それが『写真製版』なのです。
他にも写真製版で美しく染め上げるには、染料の糊が乾く前に次の色をうまく重ねないといけないことや、
糊の硬さの微妙な調整が必要なことなど、苦労をする部分が色々あると教えていただきました。
最後に、今回“絵具皿”を染めて下さった職人の真田さん。
なんと!この道50年以上だそうです。
職人の鑑・・・かっこよすぎます!!
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
4色をかけ合わせた職人技が光る『写真製版』。
色の妙を楽しんでいただけましたら幸いです。
6 件のコメント
すごいすごい!面白いです。楽しいです!
こういうことが分かって、ますます愛しい柄になりますね。素敵な記事をありがとうございます♡
anzai様
コメント頂き誠にありがとうございます。
本当に面白い表現方法だと思います!
そして愛おしいだなんてそれ以上嬉しいお言葉はございません!
これからもSOU・SOU のテキスタイルをどうぞよろしくお願いいたします!
ちょうど絵具皿のくびまきを注文したところですが、こういった素晴らしい職人さんの技の賜物だったと知り、感激です。商品の到着がいつも以上に楽しみになりました。
私も子どもを連れて見学に行ってみたくなりました。
hachiku様
コメント頂き誠にありがとうございます。
丁度ご注文いただいたところとは凄いタイミングですね!ありがとうございます!!
半世紀以上も同じお仕事を続けていらっしゃる真田さんの真摯な姿勢には心から感動いたしました。
そして、一掻きでたくさんの色が広がっていく様はお子様には本当に魔法にみえるかもしれないくらい美しい光景です。
『くびまき・絵具皿』のそんな背景も楽しんでいただけましたら本当に嬉しいです。
すごく勉強になりました!
好きな色それほどでもない色があるのも疑問だったんですが、色って不思議で本当に奥が深いですね。
SOUSOUさんのお品を使うようになってから、音楽を聴くのと同じくらい深く、色の事を考えるようになりました。
Snow様
コメント頂き誠にありがとうございます。
詩的な表現で素敵です!
改めて色の重なりや出会いが美しいものになる時の感動は音楽のそれと同じくらい心が動いていることに気付かされました。
ありがとうございます!そしてこれからもSOU・SOUの色合いを楽しんでいただけましたら幸いです。