SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“タイムスリップ!/小林 真以子”
京都・西本願寺のほど近く、ビルのワンフロアに静かに佇む『風俗博物館』に行って参りました。
エレベーターを登り扉が開いた瞬間、目下に広がる雅な平安王朝の世界にびっくり!
『風俗博物館』は、源氏物語に登場する六条院の一角を四分の一の縮尺模型で再現した、平安時代の衣装や風習などを学べる博物館です。
人形の衣装は、職人さん達がひとつひとつ手作りで作られているそうで、間近で見ると本物の着物さながらのクオリティー。
現在のメイン展示は藤原道長 春日詣の献饗の様子『餺飥(はくたく)の宴』です。
餺飥とは、うどんのルーツとも言われる、天下泰平の祈りが込められた食べ物です。
楽に合わせて餺飥を打つ妓女(ぎじょ:遊女もしくは芸妓のこと)。
こちらも飾りに扇の持ち手等など、細かいところまで表現されていて見入ってしまいました。
そして、雅楽を奏でる楽人たち。
優美な世界観が伝わってきます。
そしてこちらは『かさねの色目』エリア
かさねの色目とは、平安時代に公家の服飾の中から生まれた日本独自の配色法です。
幾重にも重ねた装束の衿元や袖口に色のグラデーションを作ったり、袷仕立ての表地に裏地の色を透けさせたりして、四季の彩りを最も身近な衣類に反映させたとても高度な美意識に感動いたします。
今回は、春夏秋冬の代表的な色目が展示されていました。
右上から時計周りに
・春 梅かさね …早春に咲き競う紅梅の様々を表現。
・夏 花橘かさね …春に色濃く葉が色づき、初夏に白い花が咲き、やがて朽葉色の実を実らす橘の木の一年を表した色目。
・秋 紅紅葉かさね …まさに燃えるような紅葉を表現。
・冬 雪の下かさね …降り積もった雪の下に、紅梅と新芽が春を待つ様子を表現した生命力あふれる色目。
冬生まれの私は、雪の下かさねに心魅かれます。自然の彩りの中に、人生観までも含ませるというのがなんとも奥ゆかしいです。
他にも、源氏物語の一節を美しい装束と人形で描いたコーナーがあったり、平安時代の織機(地機)を見事に復元されていたり…見どころ満載でした。
平安王朝の世界に迷いんだ気分が味わえ大満足です!
また是非訪れたい素敵な博物館でした。