SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“古典柄/色部 由里子”
九月吉日 長野県某所
秋雨の続いていた日々のなか、気持ち良い青空のこの日
姉妹のように育った従姉妹の結婚式に参加してまいりました。
とっておきのこの日には、やはり振り袖です。
着物は母が成人する時に誂えたもので、帯は父と母の結納の際に贈られたもの。
それぞれ数十年前のものです。
成人式の際には、気後れして着られなかった総絞りでしたが
今となってはその良さも分かるようになりました。
大切に着て、このように受け継がれていくのも、着物のいいところだなと思います。
ちなみにこちらの振り袖
ぱっと目立つ朱のお花以外にも、柄が入っていることにはお気づきでしょうか。
青海波と七宝文様です。
私は今回自分自身が着るまで気づいておりませんでした。
青海波(せいがいは)とは、三重の半円を連続させ波を表した幾何学文様です。
発祥はササン朝ペルシャ、シルクロードを経て日本に伝わったのは飛鳥時代と言われています。
源氏物語の中で若き光源氏が「青海波」という雅楽の演目を舞う姿が描かれておりますが
その演目を舞う人の衣装にこちらの柄があったことから、その名がついたようです。
無限に広がる波の文様に未来永劫の平穏の願いが込められた、縁起のいい柄です。
七宝(しっぽう)とは、仏教において大切とされる七つの宝のこと。
同じ大きさの円を四分の一ずつ重ね描かれるこの柄は
四方連続柄であることから、四方が転じて七宝となったともいわれております。
円が連鎖し繋がるこの柄に、円満、調和、ご縁などの願いを込めたそうです。
また、人のご縁や繋がりは七宝と同等の価値があるということも示しているそうです。
そんな願いの込められたものを、大切な人の結婚式で着ることができてよかったなと思います。
そして実は、SOU・SOUのテキスタイルにもこれらのモチーフがあるのです。
ちょっと佐藤さんの主張が激しいので寄ってみます。
SOU・SOU流にアレンジされた青海波
そして、七宝文様に似たモチーフがあしらわれている師走にぎわい
あ、こんなところにも…
このような願いの込められた柄を身に付けたり、大切な人への贈り物にされるのもいいかもしれません。