SOU・SOU日記 / スタッフがお届けする日記
“四季折々を詠む小さな漢詩/李 瀟瀟”
いよいよ今年も大詰めっ ! 師走の忙しさの中、皆さん如何お過ごしですか?
1年を振り返る時期になり、今日は小さい漢詩句で心を動かす春夏秋冬を振り返ろうと思います。
四季折々に豊かな表情を見せる京都、心を動かす一瞬は不意に訪れます。
同じ場所でも季節や昼夜によって、違う風景を見せてくれます。
例えば、あのキョウトタワー
そして、鴨川
私は京都で一年を過ごしました。
四季の風物詩から覚えた小さな感動を、漢詩一文で詠んでみたいと思います。
まずは「春」――
《落紅不是無情物、化作春泥更護花。》(龔自珍「己亥雜詩」)
意味:散って落ちた花びらとは、感情のないものではなく、春先のぬかるみの泥土となって、土壌を肥やし、元の花の木を一層護り育てていくのである。
梶井基次郎のエッセイでも有名な「桜の樹の下には屍体が埋まっている」というイメージとはだいぶ違いますね。
そして、「秋」――
《東籬把酒黄昏後、有暗香盈袖。》(李清照「酔花陰」)
詞意:黄昏の後まで、東の垣根の下で菊の花を眺め、貴方を偲びつつ菊の酒を酌んでいたせいで、菊の花のほのかな薫りが袖に移り籠もっている。
更に、「冬」――
《忽如一夜春風來,千樹万樹梨花開。》(岑參「白雪歌送武判官歸京」)
意味:ある夜、不意に春風がふいて木々に白い梨の花を咲かせたかのように、真っ白な雪が積もった。
2015年年始の大雪により雪化粧した金閣寺に3日連続で行ってまいりました。
ちなみに、「夏」は詠み落としました。
今年、京都の「油照り」と言われる夏の暑さの中、街を歩くと汗だくで意識朦朧としていたからです。
来年こそちゃんと観察出来るようにしたいです。
皆さんも自分なりに一年を振り返ってみてはいかがでしょうか。
そこから必ず自分なりの小さな宝物を発見できるはずです。