本間と古川の染織倶楽部 /
“第二話:「染料」と「顔料」について”
染織倶楽部、第二話は「染料」と「顔料」についてお届けいたします。
「染め」は生地を織ってから色付けを施すため、「後染め」とも呼ばれています。
(反対に糸を染めてから生地を織る「織り」は「先染め」と言います。)
染めには大きく分けて「染料」か「顔料」の2つがあります。
簡単に表現しますと「染料」は粒子が細かいために繊維に色が染み込み色付けされ、
「顔料」は粒子が粗いために中まで染み込まず繊維の上に乗ることで
色付けされます。
衣類や伊勢木綿商品など、SOU・SOUで扱っている中には染料を用いた商品が
多くございます。
・手ぬぐい/間がさね 宮美
・たばた絞り 綿麻混 きさらぎ/水玉大 緋色×生白(みずたまだい ひいろ×きじろ)
染料を使用した技法にはプリントや絞りなど多々ございますが、
それらはまたいずれご紹介したいと思います。
色を生地に染み込ませる染料は、生地の風合いを生かしたまま
柄を表現することが可能でございます。
顔料の特徴のひとつは、「白」を表現できるところにございます。
・モスリン 開襟草衣 上(かいきんそうい うえ)/菊づくし つくも
・小巾鞄/南天 濃紺
白地に白、黒地に黒と生地の上に同色のプリント、
という粋な表現も可能でございます。
また濃い色の生地の上からでもさまざまな色を染めることができるところも魅力です。
・股付5枚足袋/金襴緞子(きんらんどんす)
今回は染めの入門編といたしまして、色付けに用いられる
「染料」と「顔料」についてご紹介させていただきました。
隔週でお届けいたします染織倶楽部、今後とも何卒お付き合い下さいませ。
2 件のコメント
古川さま こんにちわ 畑村と申します。
このお話 とても楽しいですね。
お陰様で 自身の持っておりますモスリンの草衣 上の ちぎれ雲が つくも色の上に白色でプリントされているのも顔料ということがわかりました。このように顔料が施してある布地に 染めを更に施すことは可能なのでしょうか?というか どのようになるのでしようか?白色なので いつか他の色で染めたいと思うのですが。理想としては 顔料だけは白く残るといいのですけど(笑)
次回も楽しみです。
畑村様
コメントいただきありがとうございます。
染織倶楽部、お楽しみいただき幸いです。
モスリン草衣上、地色を染めることは可能でございます。
顔料部分はうっすら染まるかはたまた染料をはじいて白く残るか・・・。
化学反応で何が起こるか分からない、思いがけない結果を引き起こすのが染色の楽しさでございます。
機会がございましたら是非、お試しください!
・・・こっそりと結果を教えて頂ければ、嬉しく存じます。